サプリメントの選び方~抗酸化編2~
Q.代表的な抗酸化物質の目安について教えてください。
A.抗酸化物質自体たくさんありますので、一概には言えませんが、ビタミンCであれば、40~100mg以上、赤い色素のアスタキサンチンですと2~6mg、コエンザイムQ10ですと30~100mg程度を目安にしている商品が多いと思います。ビタミンなどは前述の野菜や果物など、一般食品でも摂取できますが、アスタキサンチン2mgを摂取するには、鮭の切り身ですと1切れ、イクラなら130g程度(イクラ軍艦13巻!)を食べなければなりません。コエンザイムQ10はもっと大変です。イワシなら6匹、牛肉なら約1kgを食べないと30mgを摂取できません。野菜や果物などをバランス良く摂取する他に、食事では摂取が困難なコエンザイムQ10などの配合されたサプリで栄養素を補完すると良いと思います。
A.私たちの細胞1つ1つに備わっている生命活動に欠かせない補酵素(ビタミン様物質)です。元々は心臓病の治療薬に使われており、心臓のポンプ機能が正常になるとされていることから、血行が促進し、冷え、肩こり、むくみなどの改善や美容効果が期待されます。CoQ10(コーキューテン)と略することもあります。このビタミン様物質は、体内に存在していますが、20歳くらいをピークに加齢とともに減少し始め、40歳前後ではほとんどの人が不足気味となり、80歳くらいになると肺や心臓では半分以下になってしまいます。普通の食べ物だけでは補いきれない成分の代表格です。また、コエンザイムQ10は油に溶ける性質を持っていますので、食後に摂取した方が、吸収が良くなります。食事の際に分泌される消化酵素が油分の乳化を助けてくれるからです。
Q.そのように貴重な原材料のコエンザイムQ10は何から抽出されるのですか?
A.最初に医薬品として開発された原材料のコエンザイムQ10は、煙草の葉から抽出し「半合成」のステップで作られていました。また、原材料のほとんどが日本で生産されています。健康食品として広く流通するようになってからは、「発酵法」と呼ばれる、酵母などの微生物を発酵させて製造した原材料も発売されています。前者の製法を「合成品は身体に良くない」と、半合成のコエンザイムQ10の原材料を否定する意見、逆に「用いた微生物が明らかにされておらず由来が不明」と「発酵法」のコエンザイムQ10原材料を否定する意見がありますが、個人的には両方とも日本の高い技術で製造され、純度が非常に高いので変わらないと認識しています。
Q.還元型コエンザイムQ10というのが流通していますが酸化型と還元型の違いを教えてください。
A.酸化型のコエンザイムQ10は「ユビキノン」という化合物。還元型コエンザイムQ10は「ユビキノール」という化合物です。医薬品として実績があるのは前者の「ユビキノン」です。体内に入った後で「還元型」に変換されて効果を表します。還元型は体内での変換が不要であるので効率が良いと謳っていますね。ただ、「還元型」の場合、非常に酸化されやすい物質であるので、保管・安定性には少々の懸念があることも事実かと思います。メーカーによって賛否両論ですが、こちらも個人的には変わらないと認識しています。
――ありがとうございました。個人的にはアスタキサンチン2mgを摂取するために、イクラ軍艦13巻が必要だということが一番驚きました(笑)。またコエンザイムQ10の原材料抽出法に関しても微生物から抽出しているものがある、などの情報も全く知りませんでした。
市場には抗酸化系のサプリメントが非常に数多く出回っていますが、こちらの内容がサプリメントを選ぶ際の手助けになればと思います。
それでは次回は『抗糖化』についてお伺いする予定です。
◎関連リンク
》配合量120mg!コエンザイムQ10「アマランスレッド<CoQ10>」
福田 明弘 (薬剤師/セコム医療システム株式会社)
サプリメント開発に携わること約16年のベテラン。研究のみならず自らサプリメントや栄養学の講師として教壇に立つことも。サプリメント開発に携わること約16年のベテラン。研究のみならず自らサプリメントや栄養学の講師として教壇に立つことも。 |
(AAN WEB編集部・小田真弓)
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