お酒の飲みすぎは、乳がんのリスクを高める。赤ワインもダメ!
9月24日で、女優の川島なお美さんが乳がんで亡くなってから1年になります。
ワイン好きとしても知られ、日本ソムリエ協会認定のワインエキスパートとしても活躍されていました。
さて、お酒を飲みすぎると体に悪いことは、みんな知っています。
でも、赤ワインだけは別で、「飲んでも大丈夫」と信じている人も多いようですが、“それは適量を飲む場合だけですよ”というお話です。
今までも、アルコールを飲みすぎると、乳がんのリスクが高まることが報告されていたのですが、アルコールの種類にかかわらず、大量に飲むと乳がんにかかりやすくなるということです。
これは、カリフォルニア州オークランドのカイザーパーマネンテのYan Li博士らが、スペインで開かれたヨーロッパがんカンファレンス)で報告したものです。
研究は健康診断を受けた7万人の女性の飲酒習慣を調べ、乳がんになる頻度と比較したもので、このうち2,800人がその後に乳癌と診断されたそうです。
その結果、飲酒量の少ない人(1日1杯未満)に比べて、1日1~2杯の飲酒をする女性は乳癌リスクが10%高くなっておりさらに1日3杯以上飲む人は30%もリスクが高いことがわかりました。
通常の場合、乳がんにかかるのは8人中1人だそうですが、1日3杯以上飲酒した人では、このリスクが6人中1人にまで増加しているとのことです。
また重要な点として、アルコールの種類に関わらずリスクの増大は同程度で、ワイン、ビール、蒸留酒の間に差はないとされています。
心疾患の予防効果としては、赤ワインは白ワインよりも効果が強いのですが、乳がんに関しては赤ワインの効果は特になかったことになります。
また、赤ワインに含まれる抗酸化物質レスベラトロールは、前立腺癌リスクを大幅に低下することがわかっていますが、その結果とも矛盾するように思われます。
他の研究者によると、レスベラトロールの効果以上に、アルコールが強い発癌性を示すからではないかということですが、赤ワインの種類によってもレスベラトロールの量が異なりますのでハッキリとはいえないようです。
いずれにせよ、赤ワインの効果をあまり過信せず、ほどほどに飲まれるのが良いようですね。
ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。
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