アンチエイジング五感道場「センシュアルライフの提案その1」R45からの生涯幸年期は“目のポーズ”で♪
生物として本来持つ感覚“五感”も、年齢と共に衰えていきます。老化予防の方法として、見た目のケアやインナーケアなど様々な方法がありますが、本企画では “五感”に焦点を当てたアンチエイジングを実践するコツをお教えします!
ガイドしてくれるのは、アンチエイジングや美について議論を深めながら追求していく双方向型セミナー「塩谷塾」の講師・卒業生たち。それぞれの専門分野における、“五感”に特化したアンチエイジングの秘訣とは?
はじめまして。巷に溢れる美容都市伝説をロジックをもってメッタ斬り、パッションをもってこの世を美で埋め尽くそうと企んでいる美の錬金術師、Dr.MANAと申します。私は初々しさを尊ぶ日本で生まれ育ち、成熟した大人の国フランスで20年間、貫禄十分のパリマダ(パリのマダム)たちをつぶさに観察してきました。錬金術は古代から近世までの膨大な研究努力の果てに、イミテーションからリアルゴールドをつくりだせませんでした。しかし、わが美の錬金術では“美しさの本質”をすでに究明しています。それは何かについては今後お話ししていきます。
初回は最近よく聞く更年期の話題から。女性ホルモンが走り回っていた狂騒に倦んで、おだやかな美しさの時期となることを医学的に更年期と呼んでいます。更年とは年が更(あらた)まること。「新年あけましておめでとう」の門出でハッピーなのですが、更衣(ころもがえ)でも軽やかな薄着で手足を伸ばして夏を迎えるのではなく、冬ごもりを前に地味な厚着となるのではイメージが違います。更年期には冷たく暗い冬となるマイナーな雰囲気がまとわりついています。
冬はお正月だけじゃない、クリスマスもバレンタインもある、恋の季節だったはずです。青い空に白い雪、ぶっちゃけゲレンデよりアフタースキーにカラダをぶっつけて、頑張ってきたではありませんか。やまとの国では吐かれた言の葉が現実となると信じられてきました。これは問題かもしれません。
2年ほど前に出した『パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ』という本、略称を“パリマダ”というのですが、ここに登場した更年期のパリマダたちは異口同音に言ったものです。
「これからが私たちの天下なのよ。月の1週間も行動を束縛した生理からは解放されたし、あれこれ悩むこともなくなった。ココロもカラダもセックスを楽しめるようになったのよ。更年期障害だってノン・プロブレム。楽なホルモン補充パッチだってあるのだから」と。
なるほど、そうですね。本業の皮膚科学で言えば、肝斑のようなホルモン関連のシミは閉経後に薄くなり、ムダ毛だって目立たなくなります。けれど強がりみたいで、なにかしら淋しいトーンを感じます。
「それは日本人の若さというか未熟への憧憬じゃないかしら。初潮にお赤飯の裏返しで、女であるかないかを生理的にしか捉えられないのよ。だったら、日本人の男はEDになったら男を引退しているの?」。
パリマダは反論します。彼女たちにとっては、子どもたちも巣立って育児からも解き放たれ、一気にいろんな煩わしさなくなるのですから、まさに“幸年期の到来”なんでしょう。
こんなに楽しく元気になれる提案を、フランス女性に独占させてたまるものですか。私たちだって、バブル以来このかたブリブリいわせてきたのです!
“パリマダ”では「生涯幸年期」を提唱しましたが、ともかくコーネンキの“音感”が好くない。五感道場で鍛えられている皆さまに向けてですから、音の響きこそ大事にしなくては。ちなみに学生時代から付き合いのある著作家で精神科医でもある悪友は“思春期”になぞらえて“思秋期”というコトバをつくりました。ああでも“シシュウ”は歯周や死臭を連想してさらにいけません。
そうであれば自称美の錬金術師の私、幸せ言葉の錬金術もやってみましょう。思い切ってコーネンキの音感を変えます。胎盤はプラセンタ、鉱物はミネラルと表記することで、イメージが180度変わる。美容業界で使うあの手ですわ。
女性更年期の英語表現はmenopause(メノポーズ)、これにエクスチェンジしたらどうでしょう? 覚え方は「目のポーズ♪」でカンタンです。これまでがホルモンに突き動かされて、カラダ全体でシナをつくって女を表現してきたのだとしたら、これからは「目」こそが大事な勝負です。
生きてきた豊かな経験知は目に(瞳に)宿っています。澄んだ目、輝く目。娘十八に負けず男を落としてもいい、ありあまる時間をつくって芸術を観る目となり、ようやく手に入れた文芸に没頭して読む目でもいいのです。内にこもっているより外にだって出ましょう。ジムでのフィットネス・トレーニング、ドライビングテクニックを磨いてカークルージング、アウトドアトレッキングでは四季の彩りをたっぷり堪能します。なにしろ女=目(めはめ)。
さぁ、知力とセンシュリティでいろんなものに恋する人生の始まりです❣
岩本 麻奈(MANA IWAMOTO) 一般社団法人・日本コスメティック協会名誉理事長
【経歴】 東京女子医大卒。慶応大学医学部皮膚科教室での研修後、市中病院勤務後、フランスへ。大学病院などでレーザー治療をはじめ美容皮膚科学、抗老化医学などを研修。また同時に、アロマテラピー・フィトテラピーなど、ハーブを用いた自然療法・予防医学を積極的に学ぶ。 20年に渡る日仏の往復生活をベースに、美と健康に関する情報を収集し、独自の視点を交えて発信。トークショー、講演会といったイベント活動も行う。 著作は美容分野を中心に多数。センシュアルライフを軸とした「パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ」「生涯男性現役」「生涯恋愛現役」(D21)はシリーズで5万5000部のヒット。近著は「フランスの教育・子育てから学ぶ 、人生に消しゴムを使わない生き方」(日本経済新聞出版社)、「結婚という呪いから逃れられる生き方」(ワニブックス) オルソクリニック銀座では月に一度Dr.MANAの美肌カウンセリング実施。 |
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