アンチエイジングニュース

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今ではめっきり読まれなくなったようだが、かつてはノーベル賞作家のアンドレ・ジッドの「狭き門」は、西田幾太郎の「善の研究」と倉田百三の「愛と認識との出発」とともに、旧制高校生必読書の御三家の一つだった。
そのジッドの人気作の一つに「田園交響楽」があった。
祖母が死んで孤児となった盲目の少女を引き取り育てるようになった、フランスの田舎に住む牧師一家の話である。
全文、牧師の日記体で記されるそのあらましは、このような内容であった。
「祖母が唖者であったため、少女は目が見えないだけでなく、言葉も話せない。
牧師は、その少女にジェルトルードと名付けた。愛情を注ぎ教育していくのが神の思し召しと信じた彼は、献身的に少女を育てていく。
その愛情が何時しか男と女の感情に変容していくのを認めようとしないまま。

その甲斐あってか、少女はやがて知性溢るる美少女へ変身していく。
牧師の長男ジャックも少女に心を惹かれ、結婚まで考えるようになる。
それを知った牧師は、烈火のごとく怒り、神の業への冒涜だと長男を遠ざけようと試みる。 丁度その頃、牧師は知人の医師から、少女の視力は手術で回復の見込みがあることを告げられる。牧師は悩みながらも、手術を受けさせることに同意する。

 

手術が成功し、彼女が帰宅する前日、牧師は日記にこう書き記す。
“今まで私の姿を見ずに愛してくれた彼女に、この姿をさらさねばならぬ。これが私だと、わかってくれるだろうか。
生まれてはじめて、私は恐る恐る鏡を覗く・・・”

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Dr.SHIOYA2 塩谷 信幸(しおや・のぶゆき)
アンチエイジングネットワーク理事長、北里大学名誉教授、
AACクリニック銀座名誉院長、創傷治癒センター理事長

現在、北里研究所病院美容医学センター、医療法人社団ウェルエイジングAACクリニック銀座において診療・研究に従事しているほか、日本形成外科学会名誉会員、日本美容外科学会名誉会員として形成外科、美容外科の発展に尽力するかたわら特定非営利活動法人 アンチエイジングネットワーク理事長、日本抗加齢医学会顧問としてアンチエイジングの啓蒙活動を行っている。

【著書】
一年で一歳若返る/アンチエイジングのすすめ(幻冬舎)
美容外科の真実/メスで心は癒せるか?(講談社)
40代からの/頭と体を若返らせる/33の知恵(三笠書房)
「お若いですね」と言わせよう。(ゴルフダイジェスト)
など
ブログ『アンチエイジングブログ!』更新中

 

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