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コーヒーの効能――ハセ博士のヘルシー情報最前線(52)

 コーヒーを飲む量が多い人ほど、糖尿病にかかる危険が小さくなるという話題です。肥満に悩む米国内の新聞などで大きく取り上げられたものです。

 この研究は、フィンランド国立公衆衛生研究所のJaakko Tuomilehto博士らが行なったもので、米医師会誌(Journal of the American Medical Association)に発表されています。

 35~64歳の約1万4600人を調査した結果によると、1日3~4杯のコーヒーを飲んだ場合、飲まない人に比べ、女性は29パーセント、男性は27パーセント、糖尿病にかかる率がそれぞれ減少していました。さらに1日10杯以上飲んだ場合は、女性は79パーセント、男性は55パーセントの大幅な減少となっていたそうです。

 何故コーヒーが糖尿病に有効なのかは不明なのですが、コーヒーに含まれているクロロゲン酸(chlorogenic acid)が血糖値の低下に有効である可能性が考えられています。

 しかし、クロゲン酸単独とは考えにくく、ほかのさまざまな成分とが複雑に絡み合って効果をもたらしたようです。また、これらと共にカフェインが膵臓からのインスリン分泌を促進させ、血糖を減少させることも考えられるそうです。

 米ハーバード大研究チームなどが行なった別の調査でも同様の結論が出ており、糖尿病予防でのコーヒーが有効なのは間違いなさそうです。

 しかし、コーヒーに含まれるカフェインを取りすぎると頭痛や吐気の原因になり得ますし、コーヒーに砂糖やミルクを入れて飲む場合にはそれがもとで糖尿病に悪影響を与えることも考えられます。コーヒーが糖尿病の予防に効くとばかりに飲みすぎないようにご注意ください。

ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している

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