夜食が太る仕組みを解明
「夜食すると太る:その仕組みが明らかに!」――ハセ博士のヘルシー情報最前線(152)
「夜食をすると、太りやすくなる」とよくいわれます。確かにその傾向があるのは、皆様異論がないと思いますが、その理由となるとハッキリしてはいませんでした。
今回は、そのメカニズムが明らかになったという報告をご紹介します。
これは、日本大薬学部の榛葉繁紀講師らが、一流科学誌である米国科学アカデミー紀要(Proceeding of the National Academy of Science)に報告したものです。
生体リズムを刻む体内時計を調節している「BMAL1」と呼ばれるたんぱく質は、昼間は体内でほとんど作られず、深夜になると増えるものだそうです。
また、細胞内にこのBMAL1量が多いと脂肪の量も多くなることに、研究者らは注目しました。
そこで遺伝子操作を利用して、BMAL1を持たないマウス細胞を作り、脂肪の蓄積の様子を調べました。
その結果、この細胞にインスリンなどを加えて、栄養過剰の状態にしても、細胞内の脂肪は増えない事が分かったそうです。
逆に、BMAL1をはほとんど作らない細胞に、BMAL1を大量に作らせるように遺伝子操作を施したところ、細胞内には脂肪が蓄積される事が分かりました。
さらに、BMAL1は脂肪酸やコレステロールの合成を促進していることも確認できたため、BMAL1が脂肪の蓄積に必要だと結論づけたそうです。
研究者によると、体内のBMAL1量は午後10時から午前2時ごろが最高となり、最も少ない午後3時ごろの約20倍に達するそうですので、これをもとに夜遅くの食事を避けれるようにすれば肥満予防が可能ではないかという事です。
やっぱり、夜食はよくないようですよ。
ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している
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