海の恵みでリラクゼーション
スパにまつわるエトセトラ
「三寒四温」という言葉があります。3日寒い日が続けば、その後4日ぐらい暖かな陽気が続くといわれています。特に春先、花が芽吹く季節になると、この「三寒四温」を繰り返しながら、少しずつ春がやってきます。桜の開花予想も発表されました。春になると、何か新しいことにチャレンジしたくなりますね。その一方で、新しい環境などで何かとストレスもかかる季節です。肌も心も身体もリラックスを求める季節ともいえます。
今回は、これからの季節にとっておきの「海の恵み」のお話です。
「生物の祖先は海から誕生した」。こんな話を聞いたことはありませんか。私たちの祖先をずっとずっと遡っていくと、生命は海の中で誕生し、進化してきたというお話にたどりつきます。そして、人間の体液の成分組成を調べてみると、海水の成分とほぼ同じということも分かっているのです。「海の恵み」を心身に取り込むことは、私たち人間が太古の昔から自然に学んできたものとも言えるでしょう。
スパの世界では、その海水などを取り入れたセラピーが行われています。それが「タラソテラピー」です。フランスでは1865年にこの言葉が生まれ、以来、各地のタラソテラピーセンターを中心に、リハビリテーションや美容、あるいは予防医学に効果のあるいろいろなトリートメントやプログラムが行われています。
タラソテラピーの本場フランスでは、「海洋気候の作用のもとで海藻、海水、海泥などを用いて行われる療法である」と定義されているほど。
では、タラソテラピーセンターなどでどんなことが行われているのか、少し紹介しましょう。
ハイドロセラピー:海水の入ったプールで運動をしたり、ぷかぷか浮きながら身体のバランスを整えていく方法です。
バルネオテラピー:浴槽の中に海水を凍結乾燥させたものを入れ、入浴を楽しんだり、ホースからの水圧で身体のマッサージも行います。
アレノセラピー:海岸近くには海水が霧状になった「マリンミスト」が存在します。その空気を吸いながらのんびりする大気浴です。
ファンゴテラピー:海の泥や海藻を使ったパックで身体を包んでいきます。海の泥や海藻の中に含まれるミネラル分が身体に浸透し、エステティックなどでも取り入れられているものです。
時間があれば、タラソテラピーの本場で体験してみるのもいいでしょう。フランスには50カ所以上のセンターがあるといわれていて、「テルムマラン・ド・サンマロ」が有名です。
日本では「タラサ志摩」、「テルムマラン パシフィーク」、「かんなタラソ沖縄」などで体験が可能です。そのほか、スパの中でもメニューとして取り入れているところもありますので、お気に入りの施設をみつけてみてはいかがですか。
海水のプールで泳いだり、浮かんだり… |
スパ&トリートメント編集主幹 上野靖
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