カロリスジャパン発足
2008年9月16日、カロリーリストリクションソサエティ ジャパン(カロリスジャパン)の発足記者会見が行われた。
カロリーリストリクション(CR)とは、ビタミンやミネラル、タンパク質などの「栄養分を確保しながら、総摂取カロリーを7割程度に制限する」こと。このカロリーを制限した食生活を続けると、「低体温」「インスリン濃度が低くなる」「血液中のDHEA濃度が高くなる」傾向にあるという。
アメリカで1958年から実施されている大規模疫学調査で分かった長寿者の特徴、「低体温」「インスリン濃度が低い」「DHEA濃度が高い」と、CRを実践した結果が重なることから、いま、エイジング研究分野でCRが注目されている。
アメリカでは、1984年に「カロリーリストリクションソサエティ」が活動を始め、医師も参加するイベントや会員同士の情報交換などが行われてきた。アメリカですでにCRを実践している人々によると、しっかりと栄養素を摂っていれば、総カロリー数を7割程度に控えても空腹を我慢する苦痛がないのだという。
CRを続けていると、カロリーを十分に摂取している状態よりも、CRを実施している状態の方が、遺伝子を守り細胞の寿命を延ばそうとする作用の酵素「サーチュイン」が活性化するため、長寿に繋がるのではないかと考えられている。ただし、やみくもにカロリーを控えることだけを行うと、逆に体調不良を招きかねない。正しいCRを実践するためには医師の指導が不可欠だ。
今回日本に発足する「カロリーリストリクションソサエティ ジャパン」は、カロリーリストリクション(CR)を日本で啓発していくことを目的とし、現在会員(年会費10,000円)を募集中だ。会員には、年1回のイベントに参加できるほか、アンチエイジング医学情報を掲載した雑誌やメルマガから、健康情報の提供を行う特典が用意されている。
会長は古川俊治先生(参議院議員、慶應義塾大学医学部外科教授、慶應義塾大学大学院法務研究科教授)。チーフメディカルアドバイザーは坪田一男先生(慶應義塾大学医学部眼科学教室教授)。メディカルアドバイザーとして伊藤裕先生(慶應義塾大学医学部内科学教室腎臓内分泌代謝内科教授)、白澤卓二先生(順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授)、斎藤一郎先生(鶴見大学歯学部口腔病理学講座教授)、山岨達也先生(東京大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学教授)を迎え、医師らから科学的な根拠に基づいた情報を得られるのが特長だ。
(AAN WEB編集部・松本理恵)
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