アンチエイジングニュース

亜鉛は、生体では鉄の次に多い必須微量元素で、体重70kgのヒトに平均2.3g含まれています。
体内に存在する、100種類を超える酵素の活性化に関与しており、主に酵素の構造形成および維持に必須な成分です。
それらの酵素の生理的役割は、免疫機構の補助、創傷治癒、精子形成、味覚感知、胎発生、小児の成長など多岐にわたっています。

このように、亜鉛は免疫システムを助け、傷を治し、炭水化物の代謝に必要な体内の重要なミネラルですが、今回、米国国立医学ライブラリーが、亜鉛摂取が十分でないと、次のような影響が出てくると、改めて注意を喚起していますのでお知らせします。

それによると
・成長の遅れ
・食欲不振
・傷が治りにくく、皮膚が傷つきやすい、及び感染しやすい
・抜け毛
・味覚や嗅覚に異常が生ずる
・夜間視力が低下する
・男性ホルモン分泌が不十分となる
などに影響が出るそうです

そして、人体に入る亜鉛はすべて食品に由来していますので、亜鉛が多く含まれる、肉類、ピーナッツ、ピーナッツバター、豆類などを豊富に摂るよう推奨しています。

ちなみに、2005年版の「日本人の食事摂取基準」では、推定平均必要量:8(6)mg/日、推奨量:9(7)mg/日、上限量:30(30)mg/日(数値はいずれも成人男性、かっこ内は成人女性)とされています。

皆様、十分に亜鉛を補給されますよう……。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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