石田純一さんの「進化」と「向上」
「アンチエイジングトーク」Vol.6 石田純一さん
健康で美しく歳を重ね、自分らしく、素敵な生き方をしたい。そんな生活を実践されている方々の健康や美容の秘訣を伺う「アンチエイジングトーク」。
第6回のゲストは、「心身の健康が幸せな生活の大前提」と、食生活や運動で健康管理をし、常に穏やかな精神状態でいることでメンタル面からも老化の促進を予防しているという俳優の石田純一さんです。
フィジカル、メンタル両面の健康を維持するための
テーマは「進化」と「向上」
Vol.6 石田純一さん
80年代、トレンディードラマの顔として一世を風靡して以来、モテる男の代名詞として常に一線で活躍されている石田純一さん。
50代となった今でも、その爽やかな笑顔やスリムな体型、ソフトな雰囲気は変わらず、不動の人気を誇っています。
今回は、そのライフスタイルが注目を集め、アンチエイジングを楽しむ人のライフスタイルWEBマガジン「Soal(ソオル)」の編集長に就任するなど活躍の幅を広げている石田純一さん流“健康”&“アンチエイジング”の秘訣について伺います。
――石田流・健康維持の4原則
僕が健康を維持するために実践していることは大きく分けて4つあります。
まず第1に食事。やはり体をつくるのは食べ物ですから、自分の体に入れる食材には気を配っています。コロンビア大学医学部のヘンリー・ロッジ助教授は「ほぼ3ケ月ごとにすべての細胞が入れ替わる」と言っていますし、青山学院大学の分子生物学教授福岡伸一先生も「1年や2年もしたら内臓脂肪さえ体内で入れ替わるぐらい細胞が全取り換えされるので、生命と食は切り離せない」と、食の重要性を説いています。だから自分も具体的に言えば、添加物が入っているものや大量生産をしたもの、便宜的に袋詰めにされたカット野菜や防腐剤を多用している食材は一切口にしないようにしていますし、加工品にしても日持ちをするものではなく、基本的にその日食べることを前提に作られたものを選んで食べています。
2つ目は運動です。血中の糖は運動をすることによってのみ代謝しますから、毎日運動をして血液をサラサラにするよう心がけています。僕は毎朝5~10km、平均すると1日7km位走っています。毎日走ることで汗をかく、カロリーを消費する、代謝がよくなる、肌がキレイになるといった効果があります。ランナーは肝臓が丈夫になり目もキレイになるといいます。他にもいい副産物もあります。
毎日走ることで、デトックス&代謝アップが出来る上、肝臓も丈夫になって肌もキレイになり、僕の場合、頑張っていることで運を貯めているとも思っているので、走ることは一石五鳥くらいの価値があると思っていますが、日課にしているとはいえ、僕も毎日走る前は嫌なんですよ。走りたくないな~、サボりたいな~なんて思いながらも自分の決め事なので走り出す。すると、走った後には必ず走って良かったと思うものなんです。運動をすることで、セロトニンやカテコールアミン、そしてエンドルフィン等の神経伝達物質を増やすことも知られていますが、実はこれらの物質は我々の幸せ感を増大させてもいるんです。特にエンドルフィンは気分を良くし、喜びや幸せを促してくれていますし、セロトニンが多くなると、前向きで自信にあふれ、適応力が上がり穏やかになるそうです。それが分かっているから嫌だと思っても毎日走る。毎日走ることで自分なりに「進化」と「向上」につなげていってるつもりです。
3つ目はデトックス。食べること、エネルギーを代謝することに加え、不要な物を排出することも大切です。僕が実践している方法はいくつかあるのですが、おすすめはヨーグルトに小麦胚芽、きなこを混ぜ、メイプルシロップかハチミツを加えたもの。僕はこれを毎日食べていますが、腸を掃除してくれるので便通がよくなります。
そして4つ目がメンタル面の充実です。ゆったりとした気分で毎日を愉しく暮らすことを心がけています。怒ったり、ストレスを溜めたりすることは酸化につながります。酸化=老化ですから、それは避けたいですよね。健康には心の問題も大切ですから、毎日を毎日と日常としてとらえるだけでなく、新しいプレゼント、白紙のプレゼントとして、どんな1日に創造していくか、ワクワクしていくことが重要かなと思います。そう、朝は希望で起き、夜は感謝に眠る。そういった感じですかね。いずれにしても我々は宇宙=大いなる力に支えられ、成長させられていることを信じるコトが成功さえも手にする要因になると考えています。
――アンチエイジングの医療技術を上手に活用する
「健康は命より重い」と言った人がいましたが、まさにその通りだと思います。健康でいることって幸せになるための大前提なのです。例えば心臓が長い年月動いてさえいれば自分は動けなくても幸せといえますか?違いますよね。体が動かなくてもステキで立派な人物はいますが、まあ全般的にはやはり、健康でないと悲しい。ですから「健康で長生きをすること」この「健康で」という部分がとても大切なのです。今、僕は50代半ばにして殆ど病院に行くことなく健康に暮らしています。この状態を今後も長く続けていくことに意味があるわけです。しかし、人は年を取るし、誰も病気になりたくてなるわけではないけれど、やはり健康でないとできることに制約が生じてしまう。そこで、今後最先端の医療技術を活用したアンチエイジングケアという概念が大切になってくるのではと考えています。
「アンチエイジング」と聞くと、女性の美容的なことに結びつけがちですが、当然、健康維持という面でもアンチエイジングはますます大切なことになっていくと思います。例えば、現在の医療技術では、自分がどのような病気になりやすい遺伝子を持っているのか分かるようになってきているといいます。つまり、前もってその病気になる可能性が高いと分かればその予防をすることが可能になり、病気を回避または発症する症状を軽くできるかもしれないということなんです。病気までいかなくても、更年期の症状をその人に合わせて緩和できるような対処法をみつけられるという技術もあるようですから、体調が悪い、気分が優れないといった辛い状態が少しでも回避できるよう健康管理に活用したい技術です。
もちろん美容面も同様で、いつまでも若々しく元気に見せたいという想いは皆持っているもの。例えば男性の美容面での悩みに髪の悩みがありますよね。僕も20代の学生の頃は洗いっぱなしでもふさふさとしていた髪が、最近は何となくコシがなくなってきたなとか、ブローしないとカッコつかないななどと思うようになりました。そんな時専門のクリニックで医学的にその人の体調や体質をしっかりと調べ、治療をする技術がある。髪だけに特化することはないですが、アンチエイジング全般、老化を遅らせながらケアしていくということを取り入れていくことで気持ちも若々しく、愉しい毎日を過ごせるなら、健康・美容の両面からアンチエイジングを積極的に取り入れていきたいと思うのは、僕だけではないでしょう。
――大切なのはメンタル
健康維持や、アンチエイジングにとって食事や運動、最新技術の導入に加え、僕が最重要だと思っているのが「心の持ちよう」です。
大げさではなく、「病は気から」という言葉もあるように、「心の持ちよう」がその人の全てを支配すると思っているのです。信念があれば不可能なことは何もないといえるくらいに心の力は偉大なんですよ!! だから、つまらないことで怒ったりストレスをためて体内を酸化させて老化を促進するようなことは避けるべきだし、自分の心が外部の情報や悪い物に影響されて悪い方向に向かないようにすることも大切なんですよね。我々の心には自分の内面にある心・インナーマインドと、外部と接触する心・アウターマインドがあり、インナーマインドを強くすることがとても大切なのです。というより正確に言うと、インナーマインドは、我々の想像している以上に力が強く、とてつもないパワーでいろいろなことを実現していく訳で、実はそのジャマをしないこと、力を弱めないことがミソなんですね。つまり、インナーマインドに力を発揮させてあげること!!
大人として、外見を磨くことも大切ですが、時には自分1人の時間を持ち、物事を深く考えたり、自分を高め、深めていく。他者の意見に左右されない自分の信念を持ち、1人の人間として確立していくことが重要なのです。
「魅は与に生じ求に滅す」という仏教の教えがありますが、魅力を他の人に与えることでそれは自分に返ってくる。求める前に与えること。そうすれば、自分の魅力がさらに上がります。間違いなく。普通は人に与えると自分の持ち分は減るけど、魅力というものは逆なんです。物でも喜びでも励ましでも何でも人に与えれば与えるほどチャームは増えます。
笑顔で相手に接すれば相手も笑顔で接してくれる、いい連鎖をつくりたいですよね。外見だけでも、内面だけでもなく、健康な体を維持し、心穏やかに充実した毎日を過ごすこと。人生を生き生きとしたものにすることこそが、真のアンチエイジングといえるのではないでしょうか。
僕は常に「昨日よりも今日、今日よりも明日、素敵な人になりたい」と思って生きています。これまでの人生を振り返ればやり直したいこともいくつかありますが、それでも僕は過去よりも今の自分が好きです。人の絶頂期はいつなのか、それは死ぬまでわからないし、1回ではなく、2回、3回と波は来ると思うんです。だから日々進化するために止まらないこと。「進化」と「向上」は永遠のテーマ。
今後の人生では、せっかくこの時代に生まれてきたわけだし、何か確固たるもの、これだという自分なりの世界をつくりあげていきたいと思いますし、結果的に他の人が、「いい年の取り方しているな~」と言ってくれるような年の重ね方をして、そんな中で出逢えた人に良い影響を与えられること、必要とされることがあれば幸せだな~と。
そして、何歳になっても何かに向かっていく「青春の気概」は亡くしたくないですね。そう思うとまだまだ老け込んでいる暇がないんです。
僕は一生「青春の気概」をもって、生きていきたい。
そして、一生”男”でいることが目標ですね。色々な意味でオ・ト・コでね!!(笑)
取材・執筆:岩原明子(フリーライター)
カメラ:田尻光久
石田純一さん
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プロフィール 石田純一(いしだ じゅんいち) 1954年東京都生まれ。 |
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