瞑想すると、高血圧が改善する
瞑想と聞くと、長いひげを生やした仙人や偉いお坊さんが悟りをひらくためおこなう修行と思われるかもしれません。
ところが最近の研究で、瞑想法は健康上とてもよいことがわかってきました。
そこで今日は、哲学的な瞑想は高血圧治療に有用で、特に高血圧治療薬につきものの副作用のない治療法として注目されているという話題をお送りします。
これはケンタッキー大学医学部James W. Anderson教授らが米国高血圧学会誌 American Journal of Hypertension(2008, March issue)に報告したものです。
このメタアナリシス研究では、高血圧患者の治療として哲学的瞑想法を用いた、9つのランダムコントロール試験を評価しました。
すると、瞑想法を行った場合には、最高血圧(収縮期血圧)を4.7 mm、最低血圧(拡張期血圧)を3.2 mmも低下させることが明らかになりました。
瞑想以外でも、リラックス法やバイオフードバック法、或いはストレスマネージメント法にも血圧低下効果があることが知られていますが、この哲学的瞑想法ではこれらの方法以上の効果を示したそうです。
そして、このような瞑想を定期的に行えば血圧が低下し、アテローム性動脈硬化症などの循環器系疾患のリスクを下げることができるとこの研究者は述べています。
このような瞑想法には高血圧治療薬で問題となる副作用の心配がありませんので、是非トライなさってください。
ちなみに、私もヨーガを20年近く行っていますが、ヨーガにも瞑想法が取り入れられています。
おかげで、血圧のコントロールのみならず、心身ともに健康そのものです。
ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している
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