いにしえのスパを思う
スパにまつわるエトセトラ
サクラの開花とともに寒の戻りがやってきています。
早く春の陽気を期待しがちですが、逆に考えると、今年はゆっくり桜の花を楽しめそうな気がします。
ちょっと気の早い話ですが、GWももうすぐやってきます。今年は、30日、1日を調整すれば、8日間の大型連休にすることも可能です。「GWは無理」でも、夏休みもやってきます。景気は以依然厳しい状態が続いていますが、円安ですし、一時期ニュースにも取り上げられた燃油サーチャージャーも軒並み下がってきています。こんなときには、思い切って海外でスパ体験などはいかがですか。
今回お話するのは、スパの歴史にまつわる話題です。
今、世界的に広まっているスパですが、その源流を探っていくと、実は古代ギリシャ時代にたどりつくのです。紀元前7世紀ごろのギリシャでは、人々は生活の節目と活気を与えてくれるものとして、温浴を利用し、マッサージを楽しんでいました。
そして時を経た古代ローマ時代になると、「入浴によって仕事の終わりをつげ、入浴によって一日の仕事が始まる」とまで言われるようになり、人々は公衆浴場へ出かけていったのです。
カラカラ帝(在位211~217年)が、217年に建設した「カラカラ浴場」は、大規模な温浴施設であるとともに、医療施設、社交場等も合わせ持つ、総合健康増進施設といえるほど。広さ3.5ヘクタールの敷地に、1000人以上の人々を収容できる大規模施設で、遊歩道で囲まれた音楽堂やレンガで造られた床下暖房の装置なども配されていました。石やガラスで作られた壁面には、フレスコ画の装飾が施され、床面はモザイクタイルで覆われていたといわれています。
その中で人々は、温度の異なる浴室を巡る循環式の入浴を楽しみながら、「体調を維持する手段」として積極的に利用していたのです。
ヨーロッパ各地には、そんなスパの原型が今でも残っています。旅の途中で古き遺跡を訪ね、滞在するホテルでゆっくり現代のスパを満喫するなんて、すごく贅沢なひとときな時間だと思います。
◎イタリアにあるテルメ
・テルメ・ディ・サルソマッジョーレ
・テルメ・ディ・サトゥルニア
スパ&トリートメント編集主幹 上野靖
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