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「スイカにバイアグラ様の作用!」――ハセ博士のヘルシー情報最前線(193)

スイカがおいしい季節になりましたね。
最近の研究によると、スイカは単においしいだけでなく、血管に対するバイアグラ様の効果があり、男性の性にも良い影響を与えるという話題をご紹介しましょう。

テキサスA&M果実野菜改良センターのBhimu Patil博士によると、スイカにはヒトの代謝を活性化することが分かったそうです。

今までもスイカは健康によいと考えられてきましたが、最近の研究でスイカに含まれる植物栄養素が代謝機能を活性化することが明らかになっています。
実際、スイカには、リコペン、ベーターカロチン、および未だその重要性が明らかにされていないシトルリンなどが多く含まれています。
 
そこでこの研究チームは、スイカの皮に多く含まれているシトルリンに着目しました。
ちなみに、スイカを食べると、そこに含まれるシトルリンがアルギニンに代謝されます。
アルギニンは、心臓や循環器系に作用するアミノ酸で、免疫系を高め、肥満や2型糖尿病の人にも有用と考えられています。
さらにアルギニンは、一酸化窒素を高めて血管を拡張する作用があり、狭心症や高血圧、さらにED(勃起不全障害)の治療や予防にも有益というわけです。

従って、バイアグラのように臓器特異的ではないかも知れませんが、副作用のない血管拡張剤として特にスイカの有用性が注目されています。

また、スイカの有用性については、オクラホマ州農業研究所によってもよく調べられています。
それによりますと、スイカの92%は水分ですが、残りの8%にはヒトの心疾患、前立腺、皮膚などを保護する抗酸化物質のリコピンが含まれていることがわかりました。
リコピンは、トマトなどに多く含まれているものですが、今回の研究でスイカにも豊富に含まれていることが明らかになったわけです。

ところで、ご存知のようにリコピンは脂溶性成分ですので、体内によく取り込まれるには脂肪分と共に摂ることが重要です。

スイカには副作用はありませんので、今後人間の体力を増進させる果物として、注目を集めそうです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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