朝倉匠子さんとガールズトーク
「アンチエイジングトーク」Vol.12 エイジングスペシャリスト 朝倉匠子さん
健康で美しく歳を重ね、自分らしく、素敵な生き方をしたい。そんな生活を実践されている方々の健康や美容の秘訣を伺う「アンチエイジングトーク」。
第12回はスペシャルゲスト!講演、執筆など多方面で活躍され、アンチエイジングネットワークの理事も務めていらっしゃる朝倉匠子さん。事務局にお見えになる時は、いつも颯爽としたお姿。そんな匠子さんに「アンチエイジングの秘訣を教えてください」とお願いしたところ、快くガールズトークに応じていただきました。
――「アンチエイジング」とは、
どういう意味だと思われますか?
「なぜ体が年をとっていくのか」を知ること。もちろん医学的な視点も大切ですが、それだけでは素敵に年をとることはできないと思います。私はお医者様から伺ったことを、一般の方に近い立場で、わかりやすく皆様にお伝えしていきたい。それにプラスして、ライフスタイルを含め幅広い角度からアンチエイジングを提案していく役割を果たしたいです。
――学生時代から芸能界で活躍されていた匠子さんですが、
なぜアメリカでジェントロジー(加齢学)を学ぼうと考えられたのでしょうか?
スカウトを受けて芸能界に入りました。私がTVに出ていた当時、時代はバブル。ロワールの古城をTVでオークションにかけるような!TVのパワーはすごかったし、芸能界は魅力的な世界でした。でも、原稿ひとつまともに読めないし、11PMで愛川欣也さんに「匠子ちゃんは、隣でニコニコ笑ってればいい」と言われて、自分にはスキルがないと感じていました。お芝居にも挑戦したけれど、大物脚本家に「私の芝居を台無しする子がいるっ!」と指をさされて(苦笑)。私だめだったの。役柄になりきって、トランス状態にはなれない。その頃から俯瞰でものを見るのが好きだったのかな。で、このままじゃダメだと思った。二流以下になると辛い。もう1回人生をやり直そうと芸能界を離れた。30代の前半は辛かった。自分の志向と自分の現実がかみ合わない。PCひとつ使えなかったし。精神的にも落ち込みました。いっぱいいっぱいになって、試行錯誤して…。「学ぶ」ことで人生をリスタートしようと、33歳の時に渡米を決意したのです。
――はじめからジェントロジーを学ぶためにアメリカに行かれたのでしょうか?
日本でずっとNPO団体に関わっていたので、カリフォルニア大学でNPOマネジメントを学んでいました。アメリカではいろいろな洗礼を受けました。例えば、ボランティア活動に対しての考え方も日本とはまるで違った。スケールも違うし、徹底したマネジメントをしなければ、社会を動かすパワーにはならない事を学びました。日本でも阪神大震災をきっかけに、ようやくマネジメントの重要性が問われるようになってきましたね。それと、アメリカでは「VOGUE」などの女性誌に50代、60代のかっこいいおばさま達が登場しているのにも刺激を受けた。日本にはなかったこと。自分自身も老化を自覚しはじめた頃で、生活の中で活かせるのでないかと「加齢学」に興味を抱くようになり専門的に学ぶことで、どんどん面白くなっていきました。
「アクティブエイジング」と表現されていますが、どういうものなのですか?
1997年に帰国して、自分の学んだことを日本に広めようと、編集工学の松岡正剛先生に相談しました。日本人の知性に「アンチ」つまり「NO AGE」は合わないんじゃないかとアドバイスをいただきました。西洋では体と心は別。どんなに体にメスを入れてもココロはセパレイトしてという考え方。日本は心と体が一体という考え方。「匠子さん、なんとかエイジングを考えてらっしゃい」と言われて、いくつか考えた中で「アクティブエイジング」に決めました。私が考えるエイジングは、いかに若くするかではなく、どう人生の後半を充実させていくか。無理のない範囲で努力を重ねていくことは「ステキなエイジング」イコール「素敵な年齢の重ね方」につながっていくのです。ですから、年を重ねても小奇麗でいることは大切。弛緩したメタボの男性なんてみたくない(笑)。女性もきれいな言葉遣いや動作に気をつけエレガンスを目指すのがいいと思います。周りの人は自分が思っている程は、シミやシワといった見た目は気にしてはいない。それよりも、膝頭が笑わないようにするほうが効果はあります。若い時は何もしなくてもキレイ。若い頃にしかできない自己主張をしていい。年を重ねると、派手になることなく、むしろすっぴんでも色々な事に気づかいができたほうがいいですね。
――匠子さんはアンチエイジングのために何かされていますか?
当然、いろいろやってます!ホルモン補充療法で、更年期の様々な症状をソフトランディングさせています。更年期の症状はホットフラッシュ、偏頭痛、痺れ、腰痛と人それぞれです。きちんと知識を持っていれば、ホルモン補充でサポートしていけます。当然、ドクターもしっかり選ばなければいけません。私は、アンチエイジングドッグと遺伝子検査を受けました。遺伝子検査をすることで、私のカラダは酸化しやすくて加齢臭がでやすいとか、骨粗しょう症に平均より6倍なりやすいとわかりました。そこで、DHEAを飲んだり、筋肉をつけて基礎代謝量を上げるレジスタンス運動をしたり、煮干しを食べたり。お陰で骨密度はぐっと高くなりました。自分の課題とされることにフォーカスして効率良く対処していけるので、アンチエイジングドッグと遺伝子検査はお勧めです。
――スタイル抜群の匠子さんですが、Tバックをはいてるってほんとうですか?
ふふ。でも冷やしちゃいけないので、パンツスタイルの時やスカートでもタイツの時は着用しています。お尻を空気にさらすのがいいのよ。意識をすることで、ちょっと色っぽさがでてくるの。後は、たまに、裸で歩くこと。ロジェ・バデムというフランスの映画監督がいて、彼はカトリーヌ・ドヌーブ、ブリジッド・バルドー、ジェーン・フォンダと付き合った男なの。彼は彼女達を家では裸で歩かせていたそう。いつもいつも包み隠してちゃダメなのよ。後は、自分のテンションをある程度保つために、ストレスは大事。どう乗り越えていこうかと適度な負荷をかける。カラダに優しいなんて好きじゃない。カラダに悪いことも大切だと思うから、子供にも挫折や精神ストレスをいかに与えていくかも、親の力量じゃないかな。後は、なんにでも好奇心を持つこと!
――目標にしている女性はいらっしゃいますか??
横浜ブリキのおもちゃ博物館館長の北原氏の奥様。10年後の私も彼女のように、人に優しくいられる人間になりたいです。78歳で亡くなった母も、死ぬ前の日まで周りの人に配慮して、キリリとしてカッコ良かった。私もチャーミングに生きていきたいな。まじめでストイックすぎる必要はない。野菜にちょっとぐらい農薬はかかっていてもいいじゃない。これから食料が不足する時代に、質にばかりこだわってはいられない。どんなことにも裏と表があって、ものの見方で正と悪がすりかわる。ある種のバランス感覚を持っていたい。最後はみんな死んじゃうから、人生を楽しまないと。日本にペア文化がないけど、時にはきれいにして夫婦ででかけてみるのもいい。見た目をきれいすることは心の自信につながっていく。キレイ、そしてプラスアルファで勝負。仕事、子育て、家族、何か積み重ねてきた経験に自信を持って、味をだしていくのもアクティブエイジング。確かに、これだけ寿命が延びたのに、社会のインフラが整っていない。ギャップがありすぎて、夢の持てない時代になってきている。社会制度に対しても、私達大人が子供たちの未来のために、働きかけていくのも課題です。私はこれから「お洋服」の仕事に挑戦します。50代のチャーミングを引き出せるブランドを計画中だけど、まだ内緒です。楽しみにしていてください。
朝倉匠子さん |
プロフィール 朝倉匠子(あさくら しょうこ) 広島生まれ東京育ち 青山学院文学部英米文学科卒業 学生時代よりコマーシャルモデルとして活躍、その後テレビ司会者、経済インタビュアとして活躍後、渡米、10年間メディア活動を休止。その間カリフォルニア大学で「NPOマネジメント」及び「ジェロントロジー(加齢学)」を学び、エイジング・スペシャリスト」として再びメディア活動に復帰し、「衝動的・精神的・美的加齢法」をベースに医療や心理学、 社会学等最先端情報と連携しながら、多くの方々と共に年齢を積み重ねることの楽しさ、自信、そして若々しさや、 美しさを育てる「アクティブ・エイジング」を提唱する活動を行っている。 また昨今はそれに加えて中高年の新しいライフスタイルの提案にも積極的に取り組んでいる。 ■NPO法人「アンチエイジング・ネットワーク」理事 朝倉匠子オフィシャルWEBサイト |
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