ダイエット食品:今度は、とろろ昆布?
「ダイエット食品:今度は、とろろ昆布?」――
ハセ博士のヘルシー情報最前線(211)
とろろ昆布」が爆発的に売れ始め、メーカーに注文が殺到しているそうです。テレビ番組で「とろろ昆布ダイエット」が紹介され、買い求める客が相次いでいるためだということです。
「とろろ昆布」ブームに火をつけたのは、先月13日に放送されたテレビ番組だったようです。女性タレントが、とろろ昆布を直接食べたり、おかずにかけて食べたりするダイエット法に挑み、減量に成功した事例が紹介されると、放送翌日から、スーパーでとろろ昆布が飛ぶように売れる事態となりました。首都圏の大手スーパーの担当者は、「放送から数日間、急激に売り上げが伸び、通常の倍以上を仕入れた」とか、別のスーパーも「一時は複数の店舗で在庫がなくなった」というほどです。
では本当に、とろろ昆布に、ダイエット効果があるのでしょうか?「とろろ昆布ダイエットバイブル」を出版した矢沢一良・東京海洋大教授によると、「昆布の食物繊維が小腸で脂質などを包み込み、体に吸収されないまま脂質を外へ排出する」と説明しています。ただし、「長期的に適量を食べれば効果があるが、一時的に大量に食べてやせるというのは想定していない」とも指摘しています。
過去、テレビや雑誌で「ダイエットに効果がある」などと紹介されてブームになった食品は、「にがり」「寒天」「白インゲン豆」「納豆」「バナナ」など沢山あります。しかし、「白インゲン豆」では十分に加熱せずに食べて下痢などを訴える人が相次いだほか、「納豆」では、紹介した関西テレビの「発掘!あるある大事典2」が、ダイエット効果に関するデータを捏造していたことが発覚するなど、問題も起きています。テレビ番組などの情報に飛びつき、特定の食べ物を万能薬のように食べるのは、如何なものでしょう?
さて、昨年は「朝バナナダイエット」がブームになりましたが、このとろろ昆布の効き目のほどは如何?
ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。
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