「ワサビアカデミー2010」開催
★「ワサビアカデミー2010」開催
12月6日、ワサビメーカー金印株式会社による「ワサビアカデミー2010」がラフォーレミュージアム六本木で開催された。
昭和4年に創業した金印株式会社では、「食品を通じて人類の健康づくりと世界の食文化の向上に貢献する」を経営理念に掲げ、ワサビの販売のほか、近年ではワサビの機能性成分を活かしたサプリメントや化粧品の開発・販売などもおこなっている。品質へのこだわりだけでなく、ワサビの健康効果の研究にも力を入れており、その研究の成果を配信する目的の講座だ。
今回、他ではなかなか聞けない、ワサビの持つ機能について各分野の専門家の貴重なお話しをうかがうことができた。
まずは金印株式会社代表取締役会長である小林一光氏の挨拶から幕を開けた。
会長は、2004年に同社が発売開始したサプリメント「わさび&オリーブ」の効能を自ら試すため、毎日5粒飲み続けた結果、PSA値が下がったそうだ。
それがワサビの効能であるとは直接的に言い切れる段階ではないとのことだが、今年で72歳とは思えない小林会長の見た目は、ワサビの健康効果についての説得力を持っていた。
★講演1「食用植物の香辛成分と機能性―今、ワサビが面白い理由」
お茶の水女子大学 生活科学部 食物栄養学科 准教授 森光康次郎先生
まず、お茶の水女子大学の森光先生が、栄養学の観点からワサビの効果についてお話された。
近年、キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科植物にがん予防効果があるとして注目が集まっているが、ワサビもまさにアブラナ科植物のひとつ。さらに、ワサビが独自に持つ香りの有効成分の正体として「ワサビチオヘキシル」と健康成分「ワサビスルフィニル」の2つが紹介された。これらの特長は下記の通り。
(1)ワサビチオヘキシル ●ワサビの特有の清々しい匂い ●揮発性が高い ●くしゃみなどの原因物質であるヒスタミン放出抑制作用 (2)ワサビスルフィニル |
これらの特性を踏まえ、慢性鼻炎にはワサビスルフィニル(サプリメントなどによる投与)、花粉症にはワサビチオヘキシル(マスクに染み込ませるなど香気による投与)が有効と考えられると語った。
★講演2「食品由来の安全な抗ストレス物質 - ワサビスルフィニルの効果 -」
医療法人松柏会榎坂病院 治療精神医学研究所 所長
(大阪市立大学医学部大学院 生化学・分子病態学教室 准教授) 関山敦生先生
大阪市立大学の関山先生は、精神科医の立場からワサビの有用性に関して説明された。
現在使用されている抗不安剤や精神安定剤は、眠気の誘発、やる気の抑制、強い依存性などの副作用がある。さらにそれらの薬は「不安」に対して効果があるだけで、「ストレス」そのものからは身を守らないなど、多くの問題を抱えている。
そこでワサビの有効成分であるワサビスルフィニルの機能性に注目し、これを被験者に投与したあとでストレス値を測定したところ、現在使用されている抗不安剤・精神安定剤よりも効果が見られたにも関わらず、副作用は全くなかったとのことだ。
またマウスにこれを投与すると、マウス同士のケンカが減る、毛並みが良くなるなどの効果が表れたとのこと。ワサビスルフィニルの効果についてはまだ研究の余地があるものの、これら研究結果から、ストレス応答の初期段階に効果があるのではないかとみられており、今後の「癒し市場」に一石を投じるのではないかと語った。
★ワサビの有用性
最後に金印社員がワサビを使った商品を紹介した。
ワサビチオヘキシルの香気を生かした花粉症対策用マスクスプレー、コラーゲン産生効果を活かした化粧品など、その機能を有効に活用した商品が勢ぞろいだ。
何といっても、副作用の心配がないという点がうれしい。
さらに現在インターネットでお申し込みの方を対象に、サプリメントが50%オフになるキャンペーンもおこなっているようなので、興味のある方はぜひチェックを。
今後の研究がますます期待される日本の伝統食材であるワサビ成分入り商品を是非一度お試しになってみてはいかがだろうか。
(AAN WEB編集部・小田真弓)
この記事が気に入ったら「いいね!」しよう
最新記事をお届けします