アンチエイジングニュース

「食事の早さを意識すると、減量できる」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(280)

肥満の人は食事のスピードが速いことが知られていますが、食事の早さを意識する事で減量ができることがわかりました。

これは英国の研究グループが、英国医師会誌British Medical Journal(2010, January 5)に報告したものです。


それによりますと、食事のスピードを示す装置を肥満児に使用させ、自分がどのくらい速く食べているかを意識させたところ、減量に成功することが明らかになったとされています。

装置はMandometerマンドメーターと呼ばれる、スウェーデンのカロリンスカ研究所が開発したコンピュータ内蔵のもので、理想的な食時の速度と実際の速度を比較することができるものだそうです。

研究では9~17歳の肥満児106人を対象とし、この装置を利用する群と利用しない群とにランダムに分けて、1日60分以上の運動とバランスのよい食事をするよう指示しました。

その結果12カ月後には、装置使用群は使用しない群に比べてボディマス・インデックス(BMI)が低くなっており、また1回の食事量が減り、食事の速度も遅くなっていました。

さらに18ヶ月後も、この減量効果が維持されていたということです。

この結果から、ゆっくり食べるように意識して、満腹感をもたらすようにすれば、肥満体型の改善に非常に有効であると結論されています。

ファーストフードよりも、スローフードが健康に良いと確認されたことになりますね。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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