アンチエイジングニュース

「口元のシワは、女性のほうが男性よりも出やすい」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(299)

目元、口元のシワは、女性の年齢をあらわすバロメーターですね。
気になさっている方も多いのではないかと思います。
さて、最新の研究により、女性の口元のシワは、男性よりも深くなることが明らかになりました。そして、口元のシワ対策についても書かれています。

このようなシワについて男女差があることは以前から予想されていたのですが、今回はじめて科学的に証明できたということで、米国アトランタの美容整形医のFoad Nahai博士らによって、美容整形専門医学誌Aesthetic Surgery Journal(2009, November/December issue)に報告されました。

この報告によりますと、口元にある毛嚢や脂腺などの皮膚器官や皮膚と筋肉との結合組織の違いにより、男女差が発生すると考えられるということです。

もともと、女性の皮膚は男性に比べて老化しやすいといわれています。

これは、女性では汗線や脂腺が少ないので身体に油脂分も少なくなり、それに伴って皮膚が硬くなりやすいというものなのですが、実際には研究で確かめた例は余りありませんでした。

また、口元のシワについてもきちんと男女差を調べた研究がなかったので、研究者らは男女の死亡者の組織を材料にして、上唇の組成等について調べたそうです。

その結果、いくつか重大な男女差があることが明らかになりました。

・女性では、男性に比べて口の周りの汗腺が少ない。
・女性では、この部分での血管も少なく、血液の流れが悪い。
・女性の口の筋肉は皮膚により近く、そのため皮膚が引っ張られてシワを作りやすい。
・毛嚢の数は男女で差はなかったが、女性の場合は毛嚢あたりの汗腺数が少ないため
 に、老化につれて皮膚が硬くなってしまう。
・女性の皮膚の老化プロセスには、ホルモンが関係していると考えられる。

特に女性ホルモンのエストロゲンが強く関係している。

なお、今回この研究者らは骨の変化については述べていないのですが、骨の問題も重要だそうです。

実際、老化が進むとあごの骨が溶け出して小さくなります。そしてそれに伴って、皮膚が
たるみだすと考えられています。

また、女性は男性よりもシワ対策を講じているのですが、それは見た目が中心で、シワ
そのものについてはあまり積極的な対応はしていないのが事実だそうです。

そこで、すぐにでも対応できる予防策として、喫煙や直射日光を避け、また湿度を適度に保つことを推奨しています。

特に、乾燥状態が続く場合には、皮膚クリームを用いて湿度を保つことが有効のようです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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