壮年性脱毛症(男性型脱毛症)
「壮年性脱毛症(男性型脱毛症)」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(306)
先日、数十年ぶりの同窓会に出たところ、友人の多くが恰幅が良くなり、最初は誰だか分からないほどでした。
頭がツルツルしている友人も多く、その点では私はホッとしましたが…。
さて、中高年の男性では6割以上の人が、頭髪が薄くなることを心配しており、実際にうす毛の男性は1,200万人を越えるとのデータもあるようです。
ただ、なかなか相談しにくく、人知れず悩んでいる方も多いと思いますので、今回はこの壮年性脱毛症を取り上げてみました。
毛髪は1日に50本~100本自然に抜け落ちますが、これ以上多いと注意信号です。
最近は女性でも同様の悩みを持つ人も多くなっており、原因はやはり、男性ホルモンの過剰な分泌や頭皮の血行不良と考えられています。
男性ホルモンは、胸毛など体毛の男らしさを作り上げますが、眉毛から上の毛髪に対しては逆に作用し、せっかくある毛髪を抜けさせてしまいます。
このような問題を解決する薬がいろいろと開発されています。
その一つは、発毛を促すタイプ「ミノキシジル」で、血行をよくし、また毛乳頭を刺激し発毛を促します。
ただし、元々は高血圧の治療薬ですので、高血圧や低血圧、心臓や腎臓に病気のある人は医師・薬剤師との相談が必要です。
育毛のためのサプリメントには、マルチビタミン&ミネラル、アミノ酸のシステイン、亜鉛、鉄などのミネラル、そしてビタミンB群(ビオチン、葉酸、B6など)、コリン&イノシトールが良いといわれています。
また、頭皮の血行促進には、ビタミンE、イチョウ葉が有用です。
そして、男性ホルモンの過剰分泌の抑制には、フィーバーフューやノコギリヤシが良いといわれています。
これらのサプリメントは、いずれも身体に優しいものですので、安心して試す事ができます。
ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。
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