アンチエイジングニュース

アンチエイジング 美食スタイル

誰もがご存知の国民的行事、2月14日のバレンタインデー!
年に一度、チョコレートが主役になる日ですね。
本来は、”女性が男性に愛の告白をする日”ですが、最近は、マイチョコや友チョコなど、
告白アイテムとしてではなく、自分のためや親しい女友達に渡したりと、バレンタインデーの過ごし方も変化していきました。
私も年々、男性へのチョコレートを選ぶよりも、マイチョコ志向に変わってしまいました。
甘いものを好む男性も多くなってきていることから、一般的にみんなでチョコレートを楽しむ日に意識が変化しているのかもしれません。
そんな主役のチョコレートも、実はアンチエイジングに魅力的なスイーツなのです。
その魅力をひも解いていきましょう。

***チョコレートの始まりは万能薬***
チョコレートの主原料はカカオ豆です。赤道近くの限られた地域にしか生息ができず、
気候や地形にも関係しているため、とても独特な植物です。
カカオの木に生った直径20cmほどの実の中に、果肉に包まれた種であるカカオ豆が
表れます。カカオ豆は、加工される地域によって方法は違いますが、バナナの葉などに包んで発酵させることで渋みが取り除かれ、チョコレートの香りがこの段階で作り出されます。
その後、天日乾燥され、加工豆として世界へと輸出されていくのです。
カカオ豆の歴史は4000年以上にもなり、
とても珍重されていました。16世紀ごろの中南米やスペインでは、神に捧げられたり、時には硬貨の代わりになることもあったそうです。カカオ豆は、すりつぶしてドロドロの状態で、トウモロコシの粉やトウガラシと調合されました。これを飲むことで、炎症解毒疲労回復に効果を発揮し、不老長寿の薬として利用されたのです。
17世紀に入ると、カカオはスペイン以外の国にも広がっていき、貴族の間で確立していきました。飲み方もそのころには改良され、砂糖を加えて温かい飲み物として飲みやすくなったようです。一般大衆の手に届くまでには時間がかかったようですが、医薬品として街の薬局で売られていました。

***チョコレートパワーの秘訣***
私たちが生まれるずっと昔から愛され続けていたチョコレートは、日本では江戸時代に伝わっていきました。製造されるようになったのは、明治時代に入ってから。世界から比べると、まだまだ新しい食べ物ではありますが、チョコレートは嗜好品として無くてはならないものとなりました。
チョコレートができるまでの過程では、まず、カカオ豆をすり潰すことで、ドロドロのカカオマスになります。その中には、カカオバターが含まれていて、これを分離させてさらに加工するとココアパウダーになるのです。
カカオマスにココアバターや砂糖、ミルクなどを混ぜ合わせて、ローラーにかけることで滑らかな状態にしていきます。チョコレートの温度を調節して状態を安定させた後、型で冷やし固めて製品が完成します。

粒状のカカオ豆からどんどん姿を変えて出来上がる
チョコレートには、私たちが嬉しくなるようなポイントがたくさんあります。
カカオマスの中にはポリフェノールが豊富に含まれているので、まさにアンチエイジングの代表格ですね。
テオブロミンという苦み成分も、ストレスに抵抗力を発揮してくれますし、精神をリラックスさせて、集中力を高めてくれるのです。加えられる甘い砂糖にも、脳の働きを促す役割があるので、仕事で疲れた時など、ぜひチョコレートを食べてリフレッシュしていただきたいですね。
また、ミネラルや食物繊維も豊富なことからコレステロール上昇の抑制整腸作用にも役立ってくれるのも嬉しいかぎりです。
ココアブームが起こったのは、15年も前の話になりますが、当時はポリフェノール、フラボノイドという言葉が飛び交い、スーパーの棚からココアが消える現象が起こりましたね。ブームは落ち着いても、成分には大きな変化はありませんから、寒い夜長にはチョコレートドリンクやホットココアで体を温めてみてはいかがでしょう。

***すみ子のちょこっとZOOM UP***
最近のバレンタインデーのチョコレートラインナップをみてみると、シンプルにカカオの味わいを楽しむものに加えて、フレーバーにこだわるチョコレートも多くなりました。定番のナッツ類を豊富に加えて、濃厚さをアピールするだけではなく、柑橘類やスパイスなど、新たな香りの変化が誕生しています。数年前から特に注目を浴びているのが柚子です。
香りの豊かさはもちろん、ほろりと苦みもあって、ヨーロッパのシェフからは高く評価されている素材です。
他にも唐辛子や胡椒など、刺激的なインパクトを与えるフレーバーもあって、苦みのあるチョコレートと合わせて、個性的な組み合わせが評価されています。チョコレートにもビターやミルクなど、カカオ分の配合は異なりますから、うまく調和されているのでしょう。
これから迎えるホワイトデー、普段のご褒美やプレゼントと様々なシーンでチョコレートを楽しんでいただきたいと思いますが、実際にどんなチョコレートを選んだらいいのかと迷ってしまうのではないでしょうか。近年、王道だったヨーロッパ系のチョコレートだけではなく、アメリカや中近東などチョコレートの世界観も多様化されてきました。
そんな時に役に立つ本をご紹介します。

世界の一流ショコラ図鑑』(講談社・本体価格1600円)
東京で展開しているショップを中心に、8か国62ブランドのチョコレートショップが掲載されています。
この本の注目は、ピックアップされているチョコレートの断面図が載っていること。
チョコレートって見た目からでは、中身がどのようになっているか分かりづらいですよね。
どんな味わいのチョコレートに、どんなフレーバーや食感になっているか、細かく表記されています。
実は、この本のライターとして、私も参加させていただきました。
取材や試食を繰り返していくうちに、まだまだ知らないチョコレートの世界があることを実感しながら、楽しく書かせていただいた本です。

チョコレートは、食べるだけで幸せな気分にさせてくれます。
ボンボンショコラやケーキなど、色々な食べ方で楽しんでくださいませ!

伊能 すみ子

伊能 すみ子
INOU SUMIKO

食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中

●著書『マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』/div>

  • facebook Share
  • Tweet
  • LINE

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう
最新記事をお届けします

カテゴリ一覧