AGE(糖化)
「アンチエイジングの専門家がナビゲート」(ガイド:塩谷信幸)
最近、アンチエイジングの原因の1つとして何かと取りざたされるようになった「糖化(AGE)」。そもそも「糖化」とは何なのか、どのような状態のことを指すのか。形成外科医の視点から、分かりやすく解説します。
最近の話題はAGEです。
これはAdvanced Glycation End-productの頭文字をとったものですが、糖分の変質したもので、ここ数年、老化の原因の一つとしてもてはやされています。
老化の原因の一つとしては、大ざっぱないい方をすれば老廃物の蓄積があり、その一つが活性酸素による「錆び」とされてきました。
様々な抗加齢の手段も、そのほとんどが活性酸素を抑える、いわゆる抗酸化が主流でした。
それがどういう訳かこの数年の間に、AGEが突如、老化の元凶としてマスコミの寵児になったのです。
平たく言えば体の組織に変性した糖分が付着して、老化の要因となる、つまり体中に汚い糖分が染み付いた状態で、人によってはキャラメリゼーションと呼んでいます。
ただ、マスコミの取り上げ方はいささか極端ですね。
まるでこれで老化のメカニズムが解明され、あらゆる老化現象がこれで解決されるように騒ぎ立てます。
ま、こうしないと視聴率が上がらないからでしょうが。
もちろん、抗酸化と血糖コントロールは抗加齢の二大命題であることは確かです。
とくにAGEは高血糖値、高脂血症、高血圧など、つまりメタボの三大要素すべてに関係があり、糖分のメタボリズムとそのコントロールはこれからの重大課題です。
その中での一つ大事なキーワードとして頭の中にとどめておいてくだされば充分です。
筆者の紹介
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長、北里大学名誉教授
東京大学医学部卒業。フルブライト留学生として渡米し、オルバニー大学で外科および形成外科の専門医資格を取得。帰国後、東京大学形成外科、横浜市立大学形成外科講師を経て、北里大学形成外科教授、同大学名誉教授。 現在、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療と研究に従事。日本形成外科学会名誉会員、日本美容外科学会名誉会員として形成外科、美容外科の発展の尽力するかたわら、NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長、日本抗加齢医学会顧問としてアンチエイジングの啓蒙活動を行なっている。
【著書】
「お若いですね」と言わせよう。(ゴルフダイジェスト社) 他多数
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