旬野菜で春の目覚めにお役立て(2)
太陽の日差しが新緑に反射して、日の暖かさを感じられるようになりましたね。
我が家には、毎年のように春の使者が現れます。それは“ツバメ”。
もう、15年以上も欠かさず来ているんですよ。
去年は、震災の影響をツバメも察したのか、つがいで現れたのは梅雨の季節になってからでした。逆に今年は普段の年よりも早くに訪れてくれて、駐車場にある巣に入居して、新しい生活を始めています。
そろそろ、メスは卵を産む準備しているので、今からヒナの誕生が待ち遠しい♪
仲の良いつがいを近所のみんなが微笑ましく観察しているので、この時期の我が家は一気に名所となります。
人間だけではなく、動物も植物もすべての生命が春の訪れを喜んでいるようで、心がウキウキしてくるのは、私だけではないはずでしょうね。
***日本もヨーロッパも春の訪れ***
ニョキニョキと育つ若茎のスティック、アスパラガスが旬を迎えています。
ハウス栽培によって、長期間楽しめるようになったアスパラガスですが、露地ものが出回ってこそ味わうのが、春の特権といえるでしょう。
馴染みのあるグリーンに加えて、ホワイト、パープルなどカラフルな色合い。そして、細くて小さいミニアスパラガスなど、様々な種類が揃うようになりました。
日本はグリーンアスパラガスが主流ではありますが、ここ数年で存在感を発揮しているのがホワイトアスパラガスです。
ヨーロッパでは、ホワイトアスパラガスが市場に出始めることによって、「春が来たなぁ!」と感じるくらいに、春野菜の代表格となっています。
卵黄とバターで作るオランデーズソースをかけたり、リゾットやフリットなど、各国でさまざまな料理が楽しまれているのです。
ドイツには“アスパラガス街道”が各地に存在しており、収穫祭として春の訪れを祝うということなので、興味をそそられますね。
以前の日本ならホワイトアスパラガスは、缶詰としての印象があるでしょう。
柔らかずぎると感じるほどの食感で、どことなく臭みがあるような・・・正直、私は食べられませんでした。
現在のホワイトアスパラガスは、缶詰だけではなく、フレッシュなものがスーパーでも入手することができます。
収穫したばかりであれば、そのままかじることができ、瑞々しさと甘みがありますよ。
一旦衰退した国産の需要も復活の兆しがみえていますし、レストランでもホワイトアスパラを銘打ったメニューも企画されているので、注目してみてはいかがでしょうか。
***グリーンとホワイトってなにが違うの?***
ズバリ「太陽の光を浴びているか、いないか!」といえるでしょう。
共にユリ科植物の仲間です。グリーンアスパラガスの成長過程で遮光することで、光合成ができなくなり、軟白化してホワイトアスパラガスになります。
野菜は太陽の光を浴びて、生成されるビタミン類が多くなるので、グリーンアスパラガスの方が含有量は多い。ミネラルや食物繊維は双方あまり変わらないというのはおもしろいですね。
アスパラガスには、アミノ酸のひとつであるアスパラギン酸やビタミンと同じような働きをする、フラボノイド化合物ルチンが含まれ注目されています。
アスパラギン酸によって、疲労回復やスタミナ増強とパワーの源となり、栄養ドリンクなどにも活用。ルチンは、毛細血管強化の働きによる出血性疾病の予防に一役かっているのです。
また、ルチン同様に、老化を引き起こす原因のひとつである活性酸素を減らす働きの抗酸化作用に優れたグルタチオンも忘れてはいけません。これは、女性が気になる肌の悩みに有効とされています。
表皮の深部にある色素細胞のメラノサイトは、紫外線の刺激を受けて活発になっていきます。それをコントロールするのがグルタチオンです。
肌色の色素を作るように働きかけ、しみの原因となる皮膚の内部に沈着するメラニン色素の生成を抑えてくれます。
まぶしいほどの太陽の日差しや気温上昇、これからの時期、さらなるアンチエイジングを目指すには、日ごろからの食べる対策が必須ですね。
***すみ子のちょこっとZOOM UP***
みなさん、アスパラガスを保存する時は、どのような状態で置かれていますか?
冷蔵庫にちょこんと横に寝かせてはいませんか。
そのままだとアスパラガスは、重力に反して上に伸びようとします。穂先から曲がった状態に起き上がってしまうんですね。糖やアミノ酸をエネルギーにして動くため、甘味や旨味が減ってしまい、せっかくの美味しさが損なってしまいます。
味の質を保つには、畑に植わっていた状態と同じ立てて保存すると良いでしょう。
ペットボトルや牛乳パックの空箱に入れれば、倒れることなく保存できます。
スーパーなどで、購入する際もまっすぐしているものを選んでくださいね。
伊能 すみ子
INOU SUMIKO
食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中
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