ビールのホップが筋肉の老化を防ぐ
「ビールのホップが筋肉の老化を防ぐ」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(374)
今年の暑さも、もうそろそろ終わりですが、まだまだおいしいビールを手放せないというお話です。
ビールに含まれるホップ成分に、筋肉の萎縮を抑制する作用があることが明らかになりました。
これは、徳島大学の寺尾純二教授(食品機能学)らの研究で明らかになったもので、9月19日付けの米科学誌プロスワンに掲載されたものです。
(論文タイトル:Prevention of Disuse Muscle Atrophy by Dietary Ingestion of 8-Prenylnaringenin in Denervated Mice 著者:Rie Mukai,Junji Terao1他 医学誌名:PLoS ONE 7(9): e45048. doi:10.1371/journal.pone.0045048)
研究では、マウスをビールホップに含まれる、プレニル化フラボノイドを混ぜたエサで飼育しました。
すると約2週間後には、通常のえさだけのマウスと比べ、ホップを加えたエサを食べたマウスではほとんど筋肉量が減少しないことが分かりました。
その結果から、フラボノイド8-Prenylnaringeninが、筋タンパク質の分解を促す酵素の生成を抑え、筋萎縮を防いだと考えられました。
ただし、人が同様の効果を得るには、ビールを毎日数十~数万リットル飲み続ける必要があるとのことですが…。
今のところ筋肉の老化を防ぐにはリハビリしかなく、寝たきりの高齢者には難しいのですが、将来、機能性食品やサプリメントとして摂ることにより、筋肉の老化を防げる可能性がありそうと期待されています。
ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。
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