骨粗鬆症予防にミカンを
「骨粗鬆症予防にミカンを」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(382)
皆様は新しい年をどうお迎えになられましたでしょうか?
おせち料理も食べ飽き、「コタツでみかん」という方も多いと思います。
そこで今日は、ミカンを食べると骨粗しょう症予防に有効という話題をご紹介します。
これは果樹研究所の杉浦実主任研究員らが、米科学誌プロスワンで発表したものです。
(論文タイトル:High Serum Carotenoids Associated with Lower Risk for Bone Loss and Osteoporosis in Post-Menopausal Japanese Female Subjects: Prospective Cohort Study.著者:Sugiura M, Nakamura M, Ogawa K, Ikoma Y, Yano M 医学誌名: PLoS ONE 7(12): e52643. doi:10.1371/journal.pone.0052643 (2012))
女性が閉経してホルモンのバランスが変わると、骨粗鬆症にかかりやすくなるのが一般的です。
ところが、温州ミカンの産地の一つである、浜松市の三ケ日町地域のミカンを多く食べる女性では骨粗鬆症患者が少ない傾向がわかっていたそうです。
そこで、この地域の閉経後の女性212人を対象に、ミカンを黄色くする色素であるβクリプトキサンチンの血中濃度と骨粗鬆症の関連を調べました。
すると、ミカンを毎日4個食べることに相当する血中濃度の人では、ミカンを食べない日がある人よりも、骨粗鬆症にかかるリスクが92%も低いことがわかりました。
この結果から、βクリプトキサンチンが、骨を増やしたり、骨密度の減少を抑えたりしていると考えられるそうです。
なお、果物などに含まれる色素の骨粗鬆症予防効果が明らかになったのは世界で初めてということで、特にミカン党の方には朗報です。
お歳暮で、ミカン箱が届いている方も多いと思いますが、腐らせる前にせっせと食べるようになさって下さい。
ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。
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