今年のマストアイテム 色鮮やかな「ビーツ」でアンチエイジング
ソメイヨシノの桜の便りも北上をはじめ、日本列島は春爛漫の季節がやってきました。
これからゴールデンウィークのころまで、各地で桜の心和む光景が続いていきますね。
いち早く満開を迎えた関東の桜の名所でも、春を待ちわびた人たちが、お弁当を囲んで楽しんでいる姿をみることができました。わたしもその中の一人だったのですが、寒さから少しずつ解放されて、なんか心ウキウキ!
新年度の切り変わり時期でもありますから、気持ちも新たにスッキリとアンチエイジングしたいものですね。
***「食べる輸血」といわれる魅力的野菜***
スーパーなどでは、あまり見かけることのなかった野菜が注目を浴びています。
その名はビーツ。地中海沿岸地方が原産のアカザ科植物で、フレッシュな野菜として店頭に並ぶことはほとんどなく、加工された缶詰で販売されることが多かったので、名前だけ聞くと、どんな野菜かわからない方もいるかもしれませんね。
世界三大スープのひとつであり、ロシアやウクライナの伝統料理であるボルシチの材料として使用されています。エキゾチックな赤い色合いを演出しているのがビーツです。
この色素は赤紫色のベタシアニンと黄色のベタキサンチンで、この2つの色素の含有量によって、全体の色合いに違いが現れます。この色合いから、日本では「火焔菜(カエンサイ)」とも呼ばれているそうです。
肥大した根の部分を食し、ニンジンやトウモロコシのような甘みのある野菜に比べて多く、糖分は14~17%も含まれています。
野菜として食される以外では、その甘みから汁を煮詰めて砂糖に加工されることが多いです。同じ砂糖の原料となるサトウキビが、温暖地で生産されているのに対し、寒冷地で栽培されていて、日本では北海道を中心に栽培されています。「甜菜(てんさい)糖」という名で、スーパーなどで見かけたり、使用したことがある方もいるのではないでしょうか。
***なぜ、食べる輸血?美しさを保つ食材***
日本では、なかなかお目にかかれなかったビーツですが、少しずつその魅力に注目が集まるようになりました。
そのポイントとなる要素に一酸化窒素(NO)があります。
特に血管の筋肉をやわらかくすることで、血液の流れをスムーズにして、動脈硬化を防ぐ役割があると注目されています。血行をよくすることで、免疫力を高めることができるので、老化防止としても最適でしょう。
このことによって、体内の酸素は循環して、日頃の疲れも回復が早くのではないでしょうか。
女性は鉄欠乏性貧血でお悩みの方もいますが、ミネラル鉄分も豊富なので、貧血防止や感染症予防にも活用していただきたいですね。
***天然の甘みで腸内活性***
先ほども申した通り、ビーツは甘みがたっぷり!
数ある甘みのオリゴ糖の中でも、ラフィノースという天然オリゴ糖が含まれています。
吸湿性がないので、整腸作用や腸内菌の改善にも役立ってくれるのは嬉しいところです。
オリゴ糖は、大腸にある善玉菌であるビフィズス菌の栄養源にもあるので、善玉菌を増やす効果もあるとされています。善玉菌の活動を活発にすることで、腸内のぜん動運動を刺激してくれるので、便秘にお悩みの方や、生活習慣病の予防や軽減にも注目です。
ボルシチの起源ともいわれるのは古代ローマ時代。当時の方たちの生活の中で、ビーツは欠かせないものでした。ビーツは、発熱や便秘などの治療にも用いられたといわれる文献も残っているくらいです。
***すみ子のちょこっとZOOM UP***
今回色々とビーツを調べて、個性的な見た目や女性にとって、とても魅力的な食べ物だと、改めてビーツの楽しさ、美味しさを感じることができました。
せっかくですから、季節の変わり目に腸内洗浄しちゃいましょう。
ビーツとヨーグルト。このふたつのゴールデンコンビをデザートに!
ビーツとヨーグルトをミキサーで混ぜ合わせて、ヨーグルトドリンクを作ってみました。
ヨーグルトは、無糖で食べる方もいると思いますが、ビーツが入ることで、鮮やかな色合いに、目でも楽しめる視覚からの食欲増進を発揮できます。
また、ほのかな甘みがあるので、ヨーグルトの突起した酸味も優しく変化しました。
このビーツの甘みを活用すれば、お料理にも砂糖を使うことなく、天然の甘みだけで砂糖の代わりとなって、糖減できるかも。
実は、インド料理にもビーツとヨーグルトの組み合わせはあるんですよ。
カレーのお口直しにもなる、デーツとヨーグルトのパチャティというサラダやポリヤルというビーツのスパイス炒め。お店にもよりますが、インド料理レストランで食べることができます。
フレッシュなビーツが手に入らなくても、一部のスーパーや高級食料品店で、缶詰が入手できるので、スープやサラダ、ドリンクやデザートに活用してみてくださいね。
伊能 すみ子
INOU SUMIKO
食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中
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