睡眠不足と寝過ぎは、ともに糖尿病の元
睡眠不足と寝過ぎは、ともに糖尿病の元
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(351)
夜更かしの生活や逆に早起き過ぎる生活は、体の周期を変えて、肥満に導くというお話です。
特に、夜更かしなどして寝不足になる人だけでなく、睡眠のし過ぎる人も、また肥満の原因になるそうですので、ご注意ください。
これは、ボストン大学Daniel J. Gottlieb博士らが、内科学誌(Archives of Internal Medicine)に報告したものです。
研究では、53歳から93歳までの中高年1,500人を対象にして、睡眠時間と糖尿病の初期症状であるグルコース耐性度を調べました。
肥満、無呼吸症候群、性別、年齢、人種などを考慮して分析したところ、糖尿病、グルコース耐性、そして睡眠不足の間に密接な関係があることがわかりました。
それによりますと、
・夜間に5時間以下しか睡眠を取らない人は、2.5倍糖尿病になりやすい。
・6時間程度の睡眠を取る人は、糖尿病の危険率は66%高い。
・9時間以上睡眠を取る人も、同様に79%も糖尿病になりやすい。
ということです。
このような睡眠が足りない人は、グルコース耐性のデータから見て、心臓疾患などによる死亡率も高いということですので、注意が必要としています。
また、今回の結果から、今まで言われているように、一日7~8時間の睡眠が最も体によが再確認され、糖尿病の人あるいはその危険性のある人は充分な睡眠を取ることが重要としています。
今のところ何故、睡眠時間が短かったり、逆に長いと糖尿病になりやすくなるかは不明だそうですが、飲酒癖とも何らかの関係があるのではないかということです。
いずれにせよ、単に肥満だけでなく、健康のためには適切な時間、眠ることが必要ということですので、皆様充分にご注意ください。
ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。
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