アンチエイジングニュース

「脳の働きを高めるには、水を飲む!」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(357)

頭を使う作業の前に、水を0.5リットル飲むと、作業効率が上がることが分かりました。
この効果は大人に対してだけでなく、子どもの集中力や記憶力も向上させるそうです。
これはイースト・ロンドン大学の研究者らが、神経科学専門誌Frontiers in Human Neuroscience誌に発表したものです。

論文タイトル: Subjective thirst moderates changes in speed of responding associated with water consumption/科学誌名: Front. Hum. Neurosci., 16 July 2013 | doi: 10.3389/fnhum.2013.00363/著者: Caroline J. Edmonds, Rosanna Crombie and Mark R. Gardner

研究は34名の成人ボランティアを対象にしたもので、これらの人には水を一晩飲まないようにしてもらいました。
そして次の日の朝食時に2つのグループに分け、片方のグループには飲料水が与えられましたが、他方のグループには依然水分の補給が許されませんでした。
次いで、全員に知的作業に従事してもらったそうです。

すると、約0.5リットルの水を飲んだ人では、飲まなかった人に比べて、知的作業に対する反応時間が14%速くなることが分かりました。
この水の効果は、のどが渇いた人では特に明確な差として認められたそうです。
また、小児を対象にして実験を行った場合も同様の効果が認められ、水をたくさん飲んだ小児では、集中力と記憶力の向上が見られました。
そして、子どもの場合では飲料水の効果は大人よりも大きかったとされています。

研究者によると、水分の不足はホルモンの不均衡を引き起こし、やがて脳の働きを不活性にしていると考えられるそうで、それを防ぐには充分な水分補給が大切とのことです。

私たちの脳の80%は水でできていますので、水を充分に摂ることが、頭脳の働きを高めるのに大切というわけですね。

なお、研究者らは、知的能力を最大化するための飲料水の量について現在調査中とのことです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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