アンチエイジングニュース

「バイリンガルの人は認知症になりにくい」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(368)

2か国語以上を話せる人は、たとえ読み書きができなくとも、1言語しか話さない人と比べて認知症の発症が遅いことが分かりました。

これは、米国医学誌「ニューロロジー(Neurology)」に発表された研究です。
(論文タイトル: Bilingualism delays age at onset of dementia, independent of education and immigration status/著者: Suvarna Alladi, Subhash Kaul 他/医学誌名: Neurology 10.1212/01.wnl.0000436620.33155.a4; November 6, 2013)

研究は何らかのタイプの認知症と診断されたインド在住の648人(平均年齢66歳)を対象に調査したものです。

その結果、2か国語を話すことのできる人は、1言語しか話さない人々に比べて、約4年半も認知症の発症が遅いことが分かました。
なおこの差は、読み書きができるかどうかに関係ありませんでした。
ちなみに、対象者のうちの14%は識字能力がなかったそうです。

また、アルツハイマー病や脳血管性痴呆症などの遅発性の記憶障害は、教育レベルや性別、職業、都市か地方かといった居住地域にかかわらず発生していたということです。

2か国以上の言語習得による認知症の予防効果が、読み書きができない人々にもあることを示した研究はこれが初めてだそうで、認知症の予防には、読み書きよりも、先ずは外国語で話ができるようになることが大切の様です。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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