紫外線対策のポイント「フェルラ酸」で美肌アンチエイジング
全国的に梅雨が明けて、夏本番です。痛いと感じるほどの強い日差しに紫外線対策が欠かせませんね。そこで、大切なのは体のケア。紫外線による日焼けは皮膚だけではなく、髪の毛や目など、意識しなければいけないことがたくさんあります。
食生活の中にもケアのために有効とされることも多くあります。今回は機能性成分のファイトケミカル(またはフェトケミカル)、その中でも「フェルラ酸」に注目してみましょう。
***初めて聞く方も多い?「フェルラ酸」とは***
「暑い夏は食欲がなくなる」という方も多いでしょう。いくらケアをしっかりしていても暑さに負けない体力を温存しなければ夏バテしてしまいます。夏だからこそ、しっかり食べてバランスの良い食生活が大切です。
ファイトケミカルは、野菜や果物、豆類などに含まれている植物栄養素です。第七の栄養素とも言われていて、ポリフェノールやリコピン、カテキンなど、種類がたくさんあります。その中に有機化合物として存在しているのがフェルラ酸です。今の季節に重要な紫外線の吸収による酸化を防止してくれる機能を持っています。また、抗酸化作用があり、活性酸素の影響を抑える働きもあるのです。脳内機能の改善や高血圧を抑えるなどの効果、最近では、軽度のアルツハイマー病の症状改善についても研究発表があり、数年前から注目されていました。
***フェルラ酸が豊富な代表格は「玄米」***
みなさんもニュースなどで聞いたことがあると思いますが、最近では県や大学規模での研究発表によって、新しい機能成分や食の関連開発が進んでいます。フェルラ酸に関しては和歌山県工業技術センター研究者と築野食品工業によって、米ぬかを利用したフェルラ酸の有効活用の研究が行われています。
フェルラ酸は化学合成でしか製造できませんでした。しかし、天然の米糠から効率よく抽出する技術を確立したものです。様々な実験からフェルラ酸を生産することで、1995年に「化学的合成品以外の食品添加物」として認められ、2001年3月には紫外線吸収用の化粧品原料としてそれぞれ国より認可されたのです。
***美白を守る優秀者***
紫外線による日焼けはメラニン色素が作り出されて肌を黒くしていきます。玄米に含まれるフェルラ酸は、増えていくメラニン色素の生成を抑えてくれるのです。
昔から米ぬかは、洗顔料や洗濯のための洗剤替わりとして活用されていました。そのことを考えれば、昔の人たちは知らずにフェルラ酸の恩恵を受けていたことになります。
玄米は、栄養素も豊富で、「若返りのビタミン」とも言われているビタミンEが白米に比べて約4倍も含んでいるのです。精米することで栄養素豊富の元である米ぬかが、そがれてしまうのはもったいないですね。また、リン、鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛といったミネラル類も豊富に含んでいます。
玄米は食べづらいという方もいます。しかし、よく噛むことで消化の働きを促し、ゆっくり食事を楽しめることからダイエットとしても注目されていました。食物繊維が豊富なので、腸内のそうじにも優れています。
フェルラ酸は、まだまだ研究が進んでいるので、今後の発表にも期待がもてますね。
スーパーやコンビニを見回すと米売り場はもちろん、お菓の子売り場にも玄米を使用したお菓子をみることがあります。毎日の食事だけではなく、身近に購入できて手軽に食べられる玄米スナックなども活用しながら夏のアンチエイジングを楽しんでくださいね。
伊能 すみ子
INOU SUMIKO
食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中
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