抱きしめるとオキシトシンが分泌され、若返る
「抱きしめるとオキシトシンが分泌され、若返る」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(401)
日本人には“ハグ”の習慣はありませんが、是非抱き合うことの効用を利用なさって下さい。
ハグをすると、“愛情ホルモン”と呼ばれているオキシトシンが分泌され、これが筋肉の修復を早めてくれるそうです。
このオキシトシンは、出産時やセックスの時に分泌されるホルモンですが、今回健康な筋肉の維持や修復にも関係していることがわかりました。
また、加齢による筋肉の低下を抑える可能性もあり、話題となっています。
これは、米カリフォルニア大学バークレー校のIrina Conboy准教授らが、ネーチャー誌の姉妹誌であるNature Communications誌に報告したものです。(論文タイトル: Oxytocin is an age-specific circulating hormone that is necessary for muscle maintenance and regener/科学誌名: Nature Communications, Vol.5, 4082; doi:10.1038/ncomms5082 (10 June 2014)/著者: Christian Elabd, Irina M. Conboy他)
オキシトシンは子どもの頃をピークに年をとると次第に減っていきますが、研究では年老いたマウスに9日間、オキシトシンを注射しました。
すると、オキシトシンを与えなかったマウスに比べ、身体にたまった疲労が早く回復することがわかりました。
このオキシトシンの投与の効果は即効性があり、年老いたマウスの筋肉の回復力は若いマウスの80%に達することもわかりました。
他にも加齢に伴う筋肉の低下を防ぐ物質は知られていますが、筋肉の再生が起こると同時にがんが発生する危険もはらんでいるため、あまり使われていません。
しかし、オキシトシンにはがん化を起こす心配はないことから、期待が高まっています。
ただし、この効果が確認できたのは年老いたマウスのみだそうで、若者は自力で体力の回復が必要とのことです。
ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。
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