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疲労回復の注目成分「イミダゾールジペプチド」&世界の鶏肉料理3選!

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アンチエイジング 美食スタイル

今年の夏は例年より暑さが続きますね。日ごろから気をつけているとはいえ、この残暑にはなかなか打ち勝てません。このお盆休みに東南アジアへと旅行にでかけた私の友人は、日本に帰ってきて「日本の方が暑い~!」なんてことを言っていました。同じような体感をされた方もいるのではないでしょうか。
暑さによってもたらさせるクーラーでの冷えや寝苦しさからくる睡眠不足など、疲労が日々蓄積しているこの頃です。かといって、この暑さが続くわけではありませんので、しっかり秋に向けて疲労回復できるように体調を整えていきましょう。
おススメ食材は「鶏肉」。今回は数ある鶏肉料理の中でもおすすめ品もご紹介します。

***疲労回復には鶏肉の「イミダゾールジペプチド」***
様々な原因から疲れは起こりますが、これは体内の燃費が悪くなっている証拠です。体内が酸化することで疲れが増して、何をするにも嫌になったりしませんか?
そんな時に活躍してくれるのが、鶏肉に含まれるイミダゾールジペプチドです。特に鳥類の羽を動かすための胸肉部分がポイントです。渡り鳥は越冬の際に何万キロという距離を飛び続けますね。そのパワーの源がイミダゾールジペプチドといわれています。

イミダゾールジペプチドの最大の特徴は抗酸化作用です。活性酸素の動きを抑え、疲労回復を補う成分として注目されています。大阪の大学で抗疲労に関する研究チームが行った実験によると、イミダゾールジペプチドを摂取した人と摂取しない人で、共に4時間の自転車こぎ運動を行い、日常生活で起こる肉体疲労の負荷の差を測ったところ、摂取していない人は摂取した人の約1.5倍の疲労感があり、さらに実験終了の4時間後は約2倍もの差が表れたそうです。イミダゾールジペプチドは、鶏胸肉約100g中に200mg含まれていて、人が一日に摂取するための理想の量は200mg~400mgです。摂取できない量ではないので、疲労感のあった時だけではなく、日ごろから鶏胸肉を食べて、徐々に体を秋モードにシフトしていきましょう。

***より効率的に摂取できるおすすめチキンフード***
普段の食事で鶏肉は登場回数も多いと思います。から揚げ、チキンソテー、カレーライスなど、取り上げればキリがないほど料理数は膨大です。そこで、「すみ子のちょこっとZOOM UP」は目線を変えて、アジアを旅するフードアナリストの私がおススメする世界のチキンフードをご紹介します。

【参鶏湯/韓国】

丸まる1羽の鶏肉の中に、高麗人参やナツメ、ニンニクなどの漢方食材やもち米を詰めて漢方スープで炊いた料理です。韓国では、夏バテ防止として夏場に多く食べられています。もちろん、疲労回復の薬膳料理としても需要がありますよ。鶏肉と漢方のエキスたっぷりのスープが主役の料理です。鶏肉は、塩コショウにつけていただきます。暑い季節に熱い料理はちょっと堪える感じですが、体をじっくり温めて疲労に負けない体を維持できるのです。

【アフリカンチキン/マカオ(中国)】

香港のすぐお隣、マカオに代表される料理です。元々ポルトガル領だったマカオには、1970年代にポルトガルのアフリカ植民地が次々と独立した際に、マカオへ移り住んだポルトガル人が伝えたものとされています。チキンをスパイスに揉み込んだり、ココナッツミルクのスパイスソースで煮込んだりして食べます。ソースに絡むことで鶏肉のエキスもたっぷり一緒にいただくことができますね。ピリ辛ソースが食欲をそそります。

【チキンライス/シンガポール】

低カロリーで高たんぱくな鶏肉は世代を問わず、シンガポールをはじめとする東南アジアでも人気です。特にチキンライスは、丸ごと1羽を炊いて、そのスープで炊いたご飯、さらに炊いたスープも一緒にいただく料理です。淡白な鶏肉にチリソースと生姜ソース、中国醤油をつけて食べるとご飯がとっても進みます。シンプルな料理ですが、東南アジアは鶏肉の肉質が日本よりも良いとされているので、胸肉でもうま味があって、とても柔らかいのです。

今回、ご紹介した3品の料理の共通点は、鶏肉のエキスも一緒に食べられることです。エキスの中には、うま味だけではなく、イミダゾールジペプチドも流出しています。すべてをいただくことでより多くの吸収が得られるのです。

今年の7月には、東京・渋谷にチキンライスのタイ版である「カオマンガイ」の有名専門店も本場のタイから進出して、連日行列ができるほどの人気となっています。みなさんもレストランに行く際には、鶏肉料理をチェックしてみてくださいね。

伊能 すみ子

伊能 すみ子
INOU SUMIKO

食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中

●著書『マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』/div>

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