「お肌のアンチエイジング対策に、ニンジンの鍋物を！」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線（４１４）

ベータ・カロチンとは、カボチャやニンジンなどの緑黄色野菜に含まれるカロチノイド系色素のひとつで、赤色をした色素成分です。

体内でビタミンＡにかわり、のどや消化管の粘膜、皮膚を健康に保つ働きをします。また、逆に不足すると肌がかさつき、吹き出物が出やすくなったりもします。
したがって、ベーターカロチンを上手に摂ることが、お肌を守るためにはとても大切です。

さて、ニンジンをゆでて食べると、ベータ・カロチンの体内への吸収率が高まることが、伊藤園中央研究所などが報告しています。

研究では、２４～４１歳の男性８人を対象に、生のニンジンとゆでたニンジンをそれぞれ２００グラム食べてもらい、ベータカロチンの血中濃度を調べました。

その結果、ゆでたニンジンだと、生の場合に比べて、摂取後６時間で平均１・４倍、８時間で１・６倍に達していることが分かりました。

さらに、ゆでたニンジンを基に作った野菜果汁を飲んで、肌の状態を調べた別の実験では、摂取後８週間で、１３人の対象者全員のシミの面積が減少することが確認されたそうです。

紫外線や煙草、アルコールなどによってできる活性酸素は、過酸化脂質を作り出し、動脈硬化や心筋梗塞、狭心症などの慢性疾患や老化速度などを速めます。

また、年齢とともに活性酸素を除去する酵素の働きが弱くなるため、どうしても高齢になるとシミなどが出来やすくなってしまいます。

ベータ・カロチンはこの活性酸素の除去酵素を活性化するのに必要な因子ですが、この成分を効率よく摂り、老化を少しでも遅らせる事が大切です。

これからの冬の季節は、アンチエイジング対策にニンジンの入った鍋物で一杯！！

ハセ博士＝薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。