すべては男性ホルモンのなせる技?
【特別企画】専門家が男女の「なぜ?」に迫る Vol.2
熊本悦明(札幌医科大学 名誉教授)×二松まゆみ(恋人・夫婦仲相談所 所長)特別対談
男女の関係はいつまでいってもわからないもの。
夫婦仲、恋仲に悩む女性会員1万3千名が集まる「恋人・夫婦仲相談所」所長の二松まゆみさんを迎え、男女の「なぜ」に迫ります。
■すべては男性ホルモンのなせる技?
二松 いきなりですが……これは多分日本全国の女性が「ぜひ聞きたい」という質問だと思うんですけど。なぜ男性は浮気をするのですか?
熊本 浮気というのはいろいろ定義があるでしょうけど、女性に関心を持つのは男性ホルモンのせいといっていいと思います。性欲を増進させるホルモンとして男性ホルモンがあるわけですから、男性ホルモンは“外的生理”を創るもので、どうしても関心が外に向き勝ちなのですよ。いろんな女性に対して関心を示すのは自然な形だと思いますよ。原則として生き物として男性ホルモンというのは異性に関心を示してセクシャルデザイアを上げるっていう働きがありますから。ただそれをどの程度、教養・文化的に抑制しているか、できるかというところが問題点ではないでしょうか。生き物という立場から考えればかなり当然のことじゃないかと思います。
二松 ものの本で読んだんですけど、男性は本能的に自分の遺伝子を残したいためにいろんな女性に種を植えておくというのは本当ですか?
熊本 それは持って回った言い方です、動物はみんな発情しているときは相手があればセックスしたくなるというのは原則なんじゃないかな。ただ人間は社会的な規定や倫理観というのがあって抑えられているけど。もしそういう抑制が全く無かったら元気な男だったらみんな、相手次第ですが、かなりセックスしたくなるのではないかな。
二松 例えば男性ホルモンが病気ですごく少なくなったりとか、もう無いに等しくなった人は浮気をしない?
熊本 それは浮気できる生き物としての元気さがない男性は駄目ですね。僕の外来へ来てる患者さんでは、女性に「まったく関心無いよ」っていう人がかなりいます。しかしただ男性ホルモン治療して行くうちに「この頃なんか美しい女性に関心が出てきました」というようになりましたけど。
二松 男性ホルモンの治療でですか?
熊本 ええ。異性に関心を持つというのは男性ホルモンの1つの作用なのです。それは男性ばかりじゃなく、女性に男性ホルモンを投与しても性的な関心が出てくるのです。男女とも性的な感心とか欲望っていうものの裏には男性ホルモンがあるというのは間違いないし、それは生物学的に原則であると思いますよ。
二松 なるほどね。
熊本 ただどのくらい浮気をするかというのは、その人の生活環境や人間関係の影響が強いことでしょうか。さらに教養とかも関係ありますよ。
二松 そうですね。その人の性格、過去のライフスタイルも関係ありますよね。
熊本 だけど、浮気は心理的は面も含めれば、男のアドベンチャー心理としては当たり前のことなんですよ。男性ホルモンが多い人ほど、そういう意欲は高いでしょうね。
二松 じゃあ、もし拘束とかルールが全く無ければ男性というのは男性ホルモンがあるわけだからいろんな女性に手を出してしまいたくなるのですか?
熊本 少し極端な話ですが、そうなるのではと思いますよ。
次回は男性のアドベンチャー心理に踏み込んだお話をお届けしたいと思います。
>>>『Dr.熊本×二松まゆみの男女の「なぜ?」に迫る』バックナンバーはこちら
熊本 悦明(くまもと・よしあき) 日本 Men’s Health 医学会理事長、札幌医科大学名誉教授 東京大学医学部卒業。東京大学講師(泌尿器科学講座)を務めたのち、札幌医科大学医学部泌尿器科学講座主任教授。男性医学・泌尿器科外科学・尿路性器感染症学を中心に研究を進め、日本 Men’s Health 医学会及び日本性感染症学会を創立している。 【受賞】 HP:日本臨床男性医学研究所 |
二松 まゆみ(ふたまつ・まゆみ)
元主婦マーケティング会社経営。夫婦仲、恋仲に悩む女性会員1万3千名を集め、恋人・夫婦仲相談所 運営。所長を務める。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察。恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。著作、講演、メディア取材多数。NHK離婚特集番組、セックスレス問題を考える番組等に出演。 【著書】 HP:恋人・夫婦仲相談所 |
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