『サプリメントの選び方 ~冷え対策編~』
そこで今回は、冬特有の悩み『冷え対策』について、薬剤師の観点から、おなじみセコム医療システム社・福田さんにお話を伺ってみました。
Q.それでは身体の冷えについて伺いたいと思います。
特に女性は冬場、冷え性に悩まされる人が少なくないと思いますが、身体にはどのような影響があるのでしょうか。
A.体温が1℃下がると免疫力が30%低下するともいわれています。身体が冷えると血行が悪くなり、酸素や栄養素が身体の隅々にいきわたらなくなってしまいます。様々な器官の働きが低下するため、疲労や胃腸の不良、風邪をひきやすい、くすみや肌荒れなどといった症状の原因にもなります。
Q.まさに「冷え」は万病の元というわけですね。では、対策はどうしたらいいでしょうか。
A.まずは食事ですね。基本的なことですが、食事をきちんと摂ることが大切です。特に一日の始まりである朝の食事は大切です。私たちは食事に含まれる糖質からエネルギー(熱)を作り出し、活動しています。食べ物の消化・吸収にはビタミンやミネラルが必要となりますので、バランスの良い食事を心掛けてください。また、冷たい飲み物や食べ物で身体を冷やさないこと、鍋物や汁物など身体を温めるものを食べると良いでしょう。食材そのものにも身体を温めるものと冷やすものがあるので覚えておくと良いと思います。代表的なぽかぽか食材といえば、生姜やニンニク、スパイスなどですね。
あとは服装ですが、身体の締め付けや露出の少ない温かい服装を心掛けると良いでしょう。
Q.冷え対策の基本として挙げられる食べ物は何でしょうか?
A.先ほども登場しましたが、生姜やニンニク、スパイスには身体を温める働きがあります。スパイスには発汗作用があるため摂り過ぎると逆に身体を冷やしてしまうことがありますので適量を心掛けましょう。生姜は料理の味付けや汁物、ジンジャーティーなどの飲み物など色々使えておすすめです。その他、根菜など冬が旬の野菜は身体を温める働きがあります。逆に、ナスやきゅうりなどの夏野菜や、バナナやパイナップルなどの南国フルーツは身体を冷やしますので食べすぎに注意してください。
A.温かい飲み物で身体を温めてから眠るのは良いと思います。ダイエットの章でも触れましたが、ミルクには安眠効果の期待できるトリプトファンというアミノ酸が含まれていますので特におすすめです。ウイスキーなどのお酒も少量ならば良いでしょう。ただし、飲みすぎてしまうと眠りが浅くなったりトイレに起きたりしてしまう・・・ということにもつながりますのでほどほどにしましょう。
Q.身体を冷やすと体調を崩しがちですが、風邪をひいてしまったときの適切な対処法について福田さんはどのようにお考えでしょうか。
A.「風邪をひく」ことの英語は皆さんご存知かと思いますが、”catch (a) cold”と言いますね。直訳すると冷えたものを捕まえた状態です。そして風邪薬の漢方では、ご存知のように「葛根湯」。体温を上げて免疫力を高め、風邪のウィルスをやっつけようというもの。風邪かな?と思ったときに、いきなり総合感冒薬を飲むことは、私は反対です。何故ならば、総合感冒薬には「解熱剤」が入っていて、体温を下げてしまうからです。風邪をひいて熱が高くなるのは、身体が免疫力を上げようとして体温を上昇させている状態。ここでいきなり熱を下げてしまえば、風邪ウィルスの思うツボ。風邪かな?と思ったら、葛根湯などを飲んで、胃腸に負担の少ない温まる料理を食べ、保温に努めて、早めに休むことが一番です。そして普段の食生活から、身体を冷やさないようにすることが、風邪をひきにくく、丈夫な身体を作ってくれるのです。
なるほど。風邪薬を選ぶ際は症状から選びがちですが、引きはじめかどうかでお薬を選ぶこともポイントかもしれませんね。
――ありがとうございました!次回は同じく冬の悩み『乾燥対策』についてお伺いしたいと思います。
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筆者の紹介
福田 明弘
(薬剤師/セコム医療システム株式会社)
サプリメント開発に携わること約16年のベテラン。研究のみならず自らサプリメントや栄養学の講師として教壇に立つことも。
冬といえば鍋物ですよね。我が家はこのシーズン、ニンニク・ショウガたっぷりの鍋物の夕食が多いです。何故ならば、簡単だから。(笑)
具材を切って食卓の土鍋でグツグツやれば、部屋の加湿にも暖房にもなるし、身体もぽかぽか。残った汁で最後に雑炊をするときは、いつも首にタオルを巻いて半袖姿です。
(AAN WEB編集部・小田真弓)
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