大豆イソフラボン:サプリメントでの摂り過ぎに注意
「大豆イソフラボン:サプリメントでの摂り過ぎに注意」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(434)
大豆食は健康に良いと信じられています。もちろん、これはウソではありません。
そして、大豆に含まれているイソフラボンには、女性ホルモンと類似の作用があるため、更年期障害の緩和や乳がん、骨粗しょう症の予防効果があるといわれています。
その一方でこの女性ホルモン効果が逆に作用し、乳がん発症や再発のリスクを高めるのではないかという議論もあります。
大豆を豆腐などの食品から摂るのは全く問題ないのですが、サプリメントから摂る場合は簡単に、大量のイソフラボンを摂取することになりますので、問題が生じる可能性は否定できません。
食品安全委員会食品専門調査会は、“大豆イソフラボンを食事以外から摂取する場合は、1日30ミリg程度”との発表を行っています。
大豆イソフラボンの食べ物からの摂取量が平均的な、閉経前の日本人女性21人について調べたところ、さらに大豆イソフラボンを1日約57ミリグラム追加で摂取した場合は、血中の女性ホルモン濃度が約3割低下した、という研究結果が出ました。
そこで調査会は、特保として上乗せ摂取する場合の安全な上限値を、57ミリグラムの約半分の約30ミリグラムと設定したものです。
その内訳で、「(一般の)大豆食品の安全性を問題にしているわけではなく、特保として上乗せ摂取する場合の評価」と強調しており、理解できます。
サプリメントの錠剤などには、クスリと同じ様に精製された化学製品が大量に含まれています。
健康食に含まれるサプリメントだからといって、取り過ぎには充分注意をなさってください。
ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。
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