「エラスチン」はエラい!?女性の大敵“たるみ”は食べて解消
「衣替えをする時期が、どんどん早くなってきている気がする?」と感じているのは、私だけではないはずです。近年は、春からすでに薄手の服や半袖が活躍していますね。服装が薄着になってくると、気になるのが体のラインです。ぽっこりお腹周りや振り袖二の腕、フェイスラインがぼやけてくる、本当は隠したいのに隠せないたるみが表面化してしまう季節でもあるのです。う~ん、これはどうにかしないといけません!と、自分にも言い聞かせるように、今回は“たるみ”に注目してみました。
***たるんだ肌を改善したい***
たるみには大きな原因が3つあるといわれます。加齢によってコラーゲンが減少し、質の低下による肌のたるみ。基礎代謝の低下によって、食べても消化しにくくなる脂肪のたるみ。若い頃よりも筋力が衰えることで起こる筋肉のたるみです。
肌の弾力が低下することでたるみやシワの原因にもつながっていきます。日頃から適度な運動や食生活によって、筋肉をつけることである程度のたるみ防止になります。また、紫外線を浴びることで肌の老化が促進し、肌トラブルになってしまう場合もあります。
これからの季節はUVケアをしっかりして、外気にふれている時間が長い分、フェイスケアを念入りにしたいですね。特に頬のたるみによる“ブルドックフェイス”は避けたいものです。
***たるみ防止の大黒柱「エラスチン」に注目!***
体を構成しているタンパク質の中で、もっとも多いのがコラーゲンですが、その次に多いのが、肌の若々しさを保つのに役立ってくれるエラスチンです。弾力性に優れていて、コラーゲンを束ねて伸縮する働きをします。このエラスチンの弾力性が40代以降になると急激に失われていくので、コラーゲンを束ねて支えていた柱が弱くなっていきます。肌の弾力がなくなってくるとコラーゲンを気にする方が多いと思いますが、その根底にはさらにエラスチンという、アンチエイジングに重要な体の組織があったのですね。
さらに、体の伸縮を担っている中で、靭帯にもエラスチンが約80%も含まれています。靭帯は体の至る所に存在しますが、二の腕や太もも、ふくらはぎなど、夏に露出の多くなる部分は特に気をつけたいものです。エラスチンが不足してくると、肌のハリにも影響してきますし、しなやかな体の伸縮が行いにくくなることでけがをしやすくなる原因にもなります。
***女性の美しさを保つ優秀食材***
まずは、エラスチンの機能を衰えさせないための食材を挙げてみましょう。
・牛すじ肉
・鶏の手羽先
・軟骨
・魚
などです。牛すじの煮込みや魚の煮凝りなど食材を煮込んだり、手羽のスープなど、流出した食材の成分も一緒に食べることが良い方法です。さらに、焼き魚でしたら、好みもあるかと思いますが、皮の部分にもエラスチンは含まれるので皮までしっかり食べましょう。
これらの料理ってコラーゲンを多く含む食材のラインナップにもよく登場しますよね。コラーゲンと同様にエラスチンにも有効とされる食材なのです。
冬場には、「コラーゲン鍋を食べた次の日には肌がツルツルになる」という話を聞きますが、エラスチンにも同様のことが言えそうです。
夏に熱いものを食べるのは苦手という方は、冷やして食べる方法もあります。
特に牛すじの煮込みは、冷たいままごはんの上にのせて、ごはんの温かさでじんわりとゼラチン質を溶かしていきます。食欲がない時にも思った以上にさらりと食べられちゃいますよ。
エラスチンは、皮膚の表面に近い真皮の部分にあるので、一番に肌のことが言われますが、
臓器にも関係していて、血液を送る動脈や静脈の血管壁にも多く含まれているそうです。肌だけではなく、血管にも柔軟性や弾力性を与えて、血液の流れを促す役割もあります。
暑い日が続くと食欲がなくなったり、行動を起こすのも面倒になったりします。
適度な運動と共に肌のたるみを解消して、鏡を見るのを一層楽しくしたいですね。
伊能 すみ子
INOU SUMIKO
食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中
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