アンチエイジングニュース

アンチエイジング 美食スタイル

今年は、秋の訪れが早いように感じています。彼岸を過ぎても暑い印象が残っていましたが、徐々に長袖の出番が増えてきました。夜も暑さを気にせず、布団のぬくもりを感じられるようになって、気持ちよく眠れるようになりました。人それぞれに就寝の時間帯や睡眠時間も違いますね。今回は、そんな睡眠の背景とゆったりと睡眠を促してくれるアイテムのご紹介です。

***睡眠不足な日本人!***
日本人はどのくらい睡眠時間をとっているのでしょう。

平成21年国民生活基礎調査(厚生労働省)によると、1日の平均睡眠時間(20歳以上)は、男女共に「6時間以上7時間未満」が最も多く、男性36.1%、女性 38.1%でした。若干睡眠時間が少ない気もしますが、働き盛りや家事で忙しい男女30代~50代が多く、この結果はちょっと納得でもありました。しかし、睡眠で充分休養がとれている者の割合をみると、ここ1ヶ月間の睡眠で休養が「まったくとれていない」又は「あまりとれていない」と回答した人の割合を合わせると、男性18.6%、女性18.3%となりました。数値では少なく感じますね。しかし、充分な睡眠時間または短い睡眠であっても、次の日まで疲れが残ると日常の生活に影響を及ぼしてしまいます。私も遅寝することがあるので、この結果にはとても興味がありました。

世界でみても、2009年経済協力開発機構(OECD)統計によると、対象国30か国の平均睡眠時間で、一番長いのはフランスの8時間50分。日本は韓国に次ぐワースト2位でした。これは、インターネットの閲覧や長時間労働が要因のひとつとされています。わかっていてもついつい深夜のネットサーフィンに時間を忘れてしまいがちですね。

***秋の夜長は八宝茶で睡眠を促す***
忙しくて短時間睡眠になってしまう方も、心地よい睡眠を促すにはリラックスした気分になることが大切です。お風呂に浸かって、音楽を聞いたり、読書をしたり、少しの時間でもゆったりとした時間を作りましょう。そして、温かい飲み物も大切です。じんわりと体が温まって、体の中からもリラックスです。私が最近ハマっている「八宝茶」をご紹介しましょう。

八宝茶とは、中国茶に漢方生薬にも用いられる乾物を加えたフレーバーティーです。“八宝”には、「たくさん」というような意味があります。必ずしも8種の具材ではないのですが、めでたい末広がりにちなんで8種類がブレンドされている商品が多いです。他のお茶と違い、氷砂糖が入っているので味の変化も楽しめます。では、主に使用されている乾物をご紹介しましょう。

【八宝茶に使用される主な生薬】

・クコの実
眼精疲労に良いとされます。目を休めて安眠につなげることができるでしょう。血行を促し、血糖値やコレステロール値を下げる効果も期待できます。

・ナツメ
心と体の疲労回復に良いとされます。なかなか眠りにつけないと時に気持ちを静めてくれるでしょう。滋養強壮にもなるので、日頃からも取り入れたいものです。

・リュウガン
疲労回復や不眠に良いとされます。ナツメ同様に、寝つきが悪い時にぴったりです。必要以上に熱を逃さないため、体温キープにも役立ってくれます。

・菊花
疲れ目や充血などの目のトラブルに良いとされます。花粉症などにも役立ってくれます。鎮静作用もあるので、リラックス効果にも有効です。

・クルミ
慢性の咳の症状がある時に有効的です。疲れた時の栄養補給にも役立ってくれます。エイジングケアにも良く、新陳代謝を促してくれます。

八宝茶には、目に良いとされる生薬が多くみられますね。色合いよく鮮やかなお茶なので、香りを感じながら五感からリラックスできそうです。八宝茶は、お湯を注ぎ入れた直後はすっきりした味わいですが、氷砂糖がゆっくりと溶けていくことで甘味を感じられるようになり、まろやかな味わいに変化していきます。ゆったりとした気持ちで八宝茶を楽しみましょう。

***すみ子のちょこっとZOOM UP***
皆さんは「茶芸師」という方々がいるのをご存じですか?
東京・丸ノ内にある新丸ビル6階にある中国料理レストラン「四川豆花飯荘」では、茶芸師と呼ばれる中国人スタッフによって八宝茶が提供されています。

その提供方法がすごくて、1mもの長さのある漏斗を持って体を回転させたり、漏斗を回したりと、アクロバティックな曲芸をしながら的確に器に向かってお湯を茶器に放つのです。これは同店の名物で「四川豆花飯荘といえば茶芸師のパフォーマンス」といわれているほど。茶芸師は中国の国家資格で、お茶の知識と共に2年もの修行をして合格しないといけないそうです。このパフォーマンスは本当に素晴らしいので実際に見ないと損ですよ。でも、何回も見たいと思って、八宝茶を飲みすぎてしまう人続出ですので注意してくださいね。

【四川豆花飯荘】
ホームページはこちら

伊能 すみ子

伊能 すみ子
INOU SUMIKO

食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中

●著書『マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』/div>

  • facebook Share
  • Tweet
  • LINE

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう
最新記事をお届けします

カテゴリ一覧