アンチエイジングニュース

「風邪の予防や老化防止にビタミンCが有効」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(469)

とうとう冬がやってきました。いやなインフルエンザの季節です。
風邪の予防にはやはりビタミンCです。

身体に侵入してきた風邪の原因である細菌やウイルスを白血球などの細胞が捕食殺菌しています。
この時、白血球は細菌などを破壊する活性酸素が作りますが、同時に活性酸素は自分自身である白血球も傷つけてしまいます。
ところがビタミンCは、活性酸素によって白血球が傷つかないように細胞を守る働きをするのです。

このようにビタミンCは、抗酸化能を活性化して体内で起こる様々な酸化ダメージを抑えて身体に良い効果を与えるのですが、実は風邪の予防だけでなく老化防止にも有効、というお話を。

東京医科歯科大と東京都老人総合研究所などの研究チームが、米国科学アカデミー紀要(Proceeding of National Academy of Science)に報告したものです。

研究では、老化が進むと産生量が減少するたんぱく質を解析したところ、ビタミンCを合成する酵素と同一であることが分かりました。

次に、このたんぱく質を持たないマウスを遺伝子操作で作り、正常なマウスと同時に飼育したところ、生後6ヵ月後には正常なマウスはすべて生きていたのに対し、このたんぱく質を持たないマウスは半数が老衰で死亡すること明らかになりました。

実に4倍も早く老化が起こったことになります。

また、臓器や血中のビタミンC量を比べたところ、このたんぱく質を持たないマウスは正常なマウスのビタミンCの10分の1しか作られていませんでした。

これらの結果から、このたんぱく質を持たないマウスは、ビタミンC合成ができず、老化が急速に進むと結論されています。

ということですので、これからの寒い季節はビタミンCで風邪と老化の予防を!

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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