「冬の肌荒れにトウガラシを」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(471)
寒さにはトウガラシがたくさん入ったキムチ鍋がおいしいですが、お肌の手入れにもトウガラシが有効というお話です。
唐辛子の辛み成分「カプサイシン」を薄めて皮膚に塗ると、肌の弾力性が増し、シミやそばかすが減少するそうです。
これは名古屋市立大大学院の岡嶋研二教授らが明らかにしたものです。
研究では、まずマウスを用いた実験を行いました。
マウスの皮膚にカプサイシン0.01%を含むクリームを塗ったところ、インスリン様成長因子IGF―1の増加を促す、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ぺブチド)という物質が、神経末端から放出されることがわかりました。
このIGF―1は細胞を活性化し、肌の老化を防ぐ働きを持つことが知られています。
そこで次に、このクリームを健康な女性17人に1週間、毎日1回顔に塗ってもらったところ、肌が引き締まり、しわやたるみも減ったそうです。
研究チームの換算では、肌年齢が10歳若返ったことになるのだそうです。
ところで、唐辛子ダイエットを行っている人も多くいらっしゃいます。
“カプサイシンが脂肪をメラメラ燃やす”というイメージから人気だそうですが、カプサイシンが直接脂肪をエネルギーに変えているわけではありません。
カプサイシンの辛味成分が神経を刺激して、エネルギー代謝を活性化するホルモンを分泌させ、体脂肪が分解しやすい状態とさせるもので、岡嶋先生の研究結果に通じるものです。
なお、トウガラシ成分をそのまま皮膚に塗ったりすると、皮膚がただれたり、炎症が起こったります。因幡の白兎(いなばのしろウサギ)になりますので、ご注意を!
ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。
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