アジアの国で見た血管健康の秘訣は「涼茶」
お盆休みや夏休みを利用して海外旅行をした人も多いでしょう。異国の地に降り立つと、日本とは違った健康法やアンチエイジングのためのヒントを得ることができます。
今回は、食の探求のためにアジアを旅する私が、新たな旅行先として近年人気となっているマカオで出会った「涼茶」をご紹介します。
体を冷やさない国民性
日本や香港に代表されるように、東アジアの国は長寿国としても知られています。特に中華圏では国民性が日々の健康と結びついていました。それは、冷たいもので体を冷やさぬよう、温かいものを口にするようにしていることです。
体を温めることは、体内の循環を良くし、血管の健康、血行促進につながります。何よりもリラックスすることができ、血流をコントロールしている自律神経のストレス緩和になります。ストレスは血管にとって大敵ですから、血管の収縮による血行不良も解消できます。
街の至る所にある涼茶専門店
マカオは、中国の特別行政区のひとつ。中華圏の人たちは、日々自分たちの体の調子を意識して、毎日のように涼茶を飲みます。涼茶とは、漢方を煎じたお茶のことで、涼茶専門店が街の至る所にありました。
店舗には、様々な症状に対応するお茶が並んでいます。これらは、医師や薬学のプロによって調合された漢方茶です。訪れた客はその日の症状を伝え、症状緩和のためのお茶を提供してもらいます。症状によってはいくつかのお茶をブレンドしてくれます。
例えば、湿気の多い夏場では、体がむくみがちになって、湿気が体内に蓄積してしまいます。こうなると、血行も悪くなってしまうので、むくみ解消のためのお茶をリクエストしたりするのです。
中国語や広東語でも、日本の漢字と同じような意味があり、分かりやすいと思います。お茶の名前や効能などの説明書きも理解できるのではないでしょうか。
血流を促すためのお茶
涼茶には、症状によって分かりやすい名前がついていますが、ブレンドされている漢方は店によって様々です。値段によって配合のバランスや数も違ってきます。
私が実際に調合してもらったむくみ解消の涼茶の場合、多功能涼茶と五花茶という漢方茶をブレンドして提供してくれました。漢方なので苦みがあるので、飲みにくいと感じるかもしれませんが、そこは“良薬、口に苦し”ということで。
実は、症状を伝えた時に、「舌を見せて」と言われたのです。そうやって実際の体の状態を見た上で、涼茶を出してくれたのは安心できました。残念ながら使用している漢方の詳細は教えてもらえませんでしたが、私の場合、飛行機に乗るとむくみがひどくなって、1週間ほど体が重い状態が続くのですが、今回はそのような状態にはなりませんでした。
また、血流促進には、亀の腹甲と漢方をブレンドした亀ゼリーもおすすめとのことでした。日本では亀ゼリーを食べる機会は少ないと思いますが、旅行の際はぜひ、本場の味を試してみてください。
店舗によって原材料が異なりますので、必ずお店の人に相談をしてください。伝える際は、中華圏であれば、漢字を使って筆談が有効です。例えば、血流促進はそのまま「血流促進」。むくみであれば「腫」。異なる環境から便秘がちになる女性も多いかもしれませんので、そんな時もそのまま「便秘」という字で伝わります。
現地の方をみていると、日常の当たり前の生活が体と向き合っているのだということが、よくわかりました。
伊能 すみ子
INOU SUMIKO
食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中
●著書●著書『マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』/div>
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