アンチエイジングニュース

老化の原因のひとつとして考えられる「免疫機能の低下」。(参照:老化原因のメカニズム

昨今、感染症対策としても注目されている「免疫力」についてのアンケート結果と、免疫に詳しい医師のアドバイスをご紹介します。

 

「免疫力向上のため積極的に食べているもの」調査結果

「免疫力向上のため積極的に食べているもの」に関して行った調査によると、免疫力を高めるために摂取している食品のトップ3が「ヨーグルト」(443人)、「肉・魚・卵(たんぱく質)」(389人)、「納豆」(383人)となり、次いで「緑黄色野菜」(331人)、「コーヒー」(259人)、「チーズ」「キノコ」(ともに258人)が続きました。

(株式会社ユーグレナが、2021年12月に20代から60代の男女1000人を対象行った調査)

 

やはり上位には発酵食品が多く並びました。その他にもたんぱく質や食物繊維、抗酸化物質など、アンチエイジングのために重要視される食品が並んでいますね。

 

免疫に詳しい医師のアドバイス

免疫力を高めるために、どのような食生活を送ったら良いのでしょうか。

以下は、積極的に摂りたい食品、栄養素、効果的な食べ方など、日比野佐和子医師によるアドバイスを紹介しています。

 

「ヨーグルト、納豆、そしてチーズなどの発酵食品が免疫力を高めるのに有効であるという知識を持っている人が多いことは素晴らしいことです。よりパワフルに免疫力を高めることを意識した食生活を送るため、毎日の習慣に取り入れやすい方法としては、調味料に味噌や醤油などの発酵食品を選択するなどのちょっとした習慣を足していくことです。それにより、より腸内環境を整え、免疫機能を高めることに寄与できそうです。また、ヨーグルトの摂り方で菌の効果を最大限に高めるコツも後述します。

免疫細胞を作るために不可欠で、私たちの身体の細胞・組織を作るための基礎でもあるたんぱく質を摂取できている人が多いのもいいことですね。そして、ビタミンやミネラルを積極的に摂る意識で緑黄色野菜を摂取できていますね。緑黄色野菜も生で食べるか調理して食べるかで免疫効果が大きく変わる場合があります。より深い知識を身につけてせっかくの野菜の栄養素を存分に活かせるようにしましょう。

逆に、より意識してほしいのが、善玉菌のエサとなり免疫力向上にも直結する食物繊維を摂取することの習慣化。日常的に食べる主食を白米から玄米や胚芽米にしてみる、オートミールや雑穀もメニューに取り入れてみるなどの工夫や、キノコ、ワカメ、ユーグレナといった海藻類を毎日摂る習慣を心がけて欲しいです。実は、ユーグレナはワカメや昆布と同じ藻の仲間なんです。そして、このユーグレナには、ビタミン、ミネラル、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素も含まれているんです。」(日比野佐和子先生)

免疫力を高める食品の、効果を最大限に活かす食べ方
調査の選択肢はいずれも免疫力を高めるとして、なんらかの効果が得られるといわれる食品です。これらの食品も、実はちょっとしたコツでもっと効果的に免疫力を高めることができる摂り方があります。

●免疫力向上の鉄板・ヨーグルト習慣、さらに結果を出すには“食後”に〇〇と一緒に摂る!
ヨーグルトに含まれる乳酸菌、ビフィズス菌は免疫力を高めるのに役立ちます。量としては毎日200g摂るのがおすすめ。ただし、胃酸などの影響で腸に届く前までに死んでしまう場合もあるので、食後に食べましょう。また、ヨーグルトの効果をさらに高めてくれるのが、パラミロン(β-1,3-グルカン)という多糖類の成分を持つユーグレナ。パラミロンは腸内で乳酸菌をより活性化させる効果が確認されており、ユーグレナパウダーとヨーグルトをあわせて摂るのが非常におすすめ。ユーグレナ単体でも、豊富な栄養素とパラミロンによって免疫サポート効果が期待できるといわれています。

●ファイトケミカルの宝庫、野菜の食べ方のOKとNG
免疫力を高めるために積極的に取り入れたい野菜。ビタミンやミネラルのほか、免疫バランスを調整してくれる抗酸化物質などを多様に含みますが、実はより効果を得るために食べ方に工夫が要るものがあります。

①ビタミン、ミネラルは生野菜で摂る…は、むしろ間違い!?
野菜などはビタミンや酵素をそのまま摂るために生野菜で食べる、そう考える方は多いかもしれません。しかし、実は免疫力向上には野菜スープにするのがおすすめ。野菜スープにすると、いろいろな野菜の抗酸化作用が約10~100倍になるといわれます。
野菜はできる限り皮や葉ごとスープにするのがおすすめです。なぜなら、野菜の皮や葉にこそ、害虫や紫外線から身を守るための成分である各種のファイトケミカルがたっぷり含まれるからです。
ファイトケミカルとは、植物が紫外線や有害物質、害虫などの害から身を守るために作り出した色素や香り、アク、辛味などの機能性成分です。

数千種類以上あるファイトケミカルには抗酸化作用を持つものが多いことから、抗酸化作用による老化予防が期待できるほか、代謝の促進、免疫力向上、脳機能の強化など、種類によって多様な働きがあると言われています。例えば「アントシアニン」「カテキン」「リコピン」など耳にしたことがある成分も、ファイトケミカルに含まれます。
ただ、ファイトケミカルは細胞壁にしっかり守られているので、じっくり煮込んでスープの中にファイトケミカルが浸みだしてくるように調理しましょう。

②油と調理するべき野菜
ビタミンAが豊富なニンジンは免疫力向上におすすめの緑黄色野菜ですが、皮と葉も一緒に食べることでより豊富なビタミンAを摂取できます。せっかくニンジンを食べるのであれば皮ごとおろす、蒸す、葉をスープに入れて食べるなど、まるごと食べる調理法を試していただきたいです。
また、油と調理することでビタミンAとテルペンの吸収率がアップするので、油で炒めるのが非常におすすめです。テルペンとは、植物にたえず進入しようとする有害な微生物(菌や細菌)、有害な昆虫から身を守るために植物自身が自己防衛のためにつくりあげてきた物質の一種で、この成分も免疫バランス増強の一助になるのではと考えられます。

トマトに含まれるファイトケミカルであるリコピンは、β-カロテンの約2倍、ビタミンEの約100倍もの抗酸化作用を持つといわれています。身体の細胞の抗酸化効果が期待できる栄養素も、免疫細胞が老化したり、弱ってしまうのをセーブしてくれることが期待できます。リコピンも油と一緒に摂ると吸収率がアップするので、サラダでトマトを食べるときは必ずドレッシングと一緒にいただくようにしましょう。

また、炒めたりサラダにかけるオイルにも注意しましょう。飲食店や家庭で使われる多くのサラダ油はリノール酸を含んでいます。リノール酸は体内に入ると炎症を誘発するアラキドン酸に変化してしまいます。特に腸管の細胞は炎症を起こしやすく、炎症を起こすと免疫力が低下してしまいます。オリーブオイル、アマニ油、エゴマ油、魚油などを取りいれるようにしましょう。

③細かく刻まないと意味がない野菜は?
免疫力向上にニンニクを取り入れるという方もいますが、焼いてそのまま丸ごと食べるだけでは実はもったいないのです。ニンニクはビタミンB6を豊富に含みます。ニンニクは細かく刻むことでアリイナーゼいう酵素がアリインに反応し、アリシンという疲労回復効果、殺菌効果、強壮作用などの多彩な薬効を生み出す成分になります。アリシンはビタミンB1と結合し、免疫機能を正常に維持するのに役立つビタミンB6の働きを高めてくれるのです。

④よく噛むことで免疫力が高まる野菜は?
ブロッコリーには強い解毒作用や抗酸化作用を持つスルフォラファンが多く、新芽のスプラウトは特に豊富です。しかし、よく噛まないとスルフォラファンは生成されないので、ブロッコリーはしっかり噛んで食べることを心がけましょう。

●日々の飲み物、おすすめは緑茶とコーヒー
お茶やコーヒーを毎日一定量飲むという方は多いのではないでしょうか?これらの飲み物も免疫力向上に役立ちますが、実は、意識すべき飲み方があるのです。

①緑茶は熱くして飲む?冷たくして飲む?
緑茶に含まれるカテキンは抗菌・殺菌作用、抗酸化作用に優れたファイトケミカルの代表格です。
緑茶には複数のカテキンが含まれますが、特に「エピガロカテキン(EGC)」と「エピガロカテキンガレート(EGCG)」に注目を。
カテキンの中でも、免疫細胞のマクロファージを活性化させる作用が最大と言われている「エピガロカテキン(EGC)」は低温状態でより多く抽出されるため、氷水で入れる「氷出し」で飲むとより多く摂れます。一方、ビタミンCの数十倍といわれる抗酸化作用を持ち、老化を防いで免疫力を向上させるといわれる「エピガロカテキンガレート(EGCG)」は、20度以下の低温では抽出されにくいため、70~80度のお湯でなるべく時間をかけて入れましょう。
いずれのカテキンも煮え切った熱湯をかけると変性してしまいせっかくの効果がなくなってしまうので、緑茶は水出しか70~80度で入れるようにしましょう。

②コーヒーも免疫力向上に役立つ。1日何杯までOK?
コーヒーに含まれるポリフェノールの一種「クロロゲン酸」にも抗酸化作用があり、免疫バランスの調整に役立ちます。しかし、飲みすぎは胃を荒らしてしまい逆に免疫バランス機能を下げてしまうおそれも。1杯のコーヒー(約150ml)に含まれるカフェインを90mgとし、1日400mgまでの摂取であればリスクがないというのが一般的な見解です。子供や妊婦、授乳中の人を除く成人では1日3~4杯を目安にしましょう。

 

【監修者】 皮膚科医 日比野 佐和子(ひびのさわこ) 先生

医療法人社団康梓会 Y’sサイエンスクリニック広尾統括院長、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学特任准教授、医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングドクター(日本抗加齢医学会専門医)。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。中医学、ホルモン療法、プラセンタ療法、植物療法(フィトテラピー)、アフェレーシス療法(血液浄化療法)などを専門とする。アンチエイジングの第一人者として国際的に活躍するほか、テレビや雑誌などにも数多く出演。

 

【情報提供】株式会社ユーグレナ

 

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