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短い梅雨が終わり、夏本番!今年の暑さは特に体にこたえますね。

今回のテーマは、「今年も後半戦! ぜひ取り組みたいアンチエイジング」です。
前回のテーマで取り上げたビネガードリンクを飲んで暑さに負けず、気分をスッキリさせておりました。
夏に向けて酢でスッキリ!ビネガードリンクで「お酢活」

記事の投稿以降も、酢に関する商品や情報を探していましたが、その中で発酵食品たっぷりな料理を発見し、改めて今年の後半戦を発酵で楽しんでみようと思ったのです。珍しい発酵調味料やオリジナル性のあるアイデアで発酵を促進しているお店が下北沢にありました。

 

発酵デザイナープロデュースの専門店はこだわり調味料がいっぱい

訪れたのは、東京・世田谷区にある「発酵デパートメント」です。小田急線・京王線下北沢駅から徒歩5分ほどで、様々な店舗や建屋が軒を連ねる「BONUS TRACK」という施設の一角にありました。

 

 

オリジナル発酵商品や日本各地から集まった調味料や加工食品、アルコール、発酵関連の書籍など500点以上を集めた「オールアバウト発酵」の専門店です。発酵デザイナーであるオーナーの小倉ヒラクさんが、国内外を訪れて集めた発酵食品のコレクションがきっかけになって生まれた店とのことです。

 

 

入った瞬間からワクワクする店でした。発酵に欠かせない麹が何種類もあり、麹と大豆がセットになった味噌つくりキットがあるのがいいですね。全国の地域色豊かな酢、醤油、味噌といった基本調味料があり、甘酒やビール、ワインなども豊富にそろっています。発酵関連の書籍はレシピ本だけでなく、研究書的な本もあって興味深かったです。

さらに、こちらの店の魅力は、レストランが併設されていて発酵尽くしのランチメニューが提供されていることです。3品あるうち、一番人気の発酵料理をいただきました。



「十和田のごど丼」味噌汁付き 1200円。
初体験の味といってよいほどに、発酵のうま味や香り満載の料理でした。
それにしても気になるのが “ごど” ですよね。これは、乳酸菌発酵した納豆のことで、十和田地方で母の味と受け継がれているものです。納豆に麹を加えてさらに1か月ほど常温発酵させることで乳酸菌が発生するそうです。

実は納豆が苦手な私なのですが、ごどは納豆特有の香りやねばつきがありません。大豆の味がしっかり感じられ、うま味が凝縮されていておいしさの塊だったことに驚きでした。

ごどの下には塩麹調味料の三五八に漬けた鶏むね肉がたっぷり。有機栽培米と富士山伏流水で作った純米酢「心の酢」を使った根菜の甘酢漬けが彩を添えました。提供時には、新潟県の唐辛子発酵調味料「かんずり」と「Bakasco」という徳島県の柚子と柿酢の発酵調味料があり、お好みで辛味や酸味を加えられます。

全体的に混ぜることで爽やかさが広がり、さっぱりとした口当たりとなって、食欲が増すおいしさです。納豆菌、麹菌、乳酸菌が豊富なので腸内環境が整いそうですね。個人的には、温泉卵にかんずりをつけて食べてみたらすごくおいしかったです。旨辛さがありクセになる味でした。辛いものに興味がある人はぜひ試してみてくださいね。

他に高知県大豊町の伝統製法で仕上げた発酵茶「碁石茶」(300円)でカテキンと乳酸菌をさらに注入。店内では他にも山梨産のワインやクラフトビールなども飲め、さらに同店が入居している敷地内の中庭でも飲んだり食べたりできるので、のんびりとした時間を過ごすことができますよ。


ここで、今回購入した商品をご紹介しましょう。

たっぷり使いたいおすすめ調味料と書籍

同店オリジナル商品の「みりんとす」(1240円)は、商品名通り「みりん」と「酢」の発酵調味料です。スーパーマーケットでも扱いのある角谷文治郎商店の「三河みりん」と「心の酢」を煮切りしてから調合して仕上げたものです。味醂と酢の組み合わせってありそうでなかったですよね。

まるでウィスキーのように液体の色がきれい。甘さというよりも、コク深く酸味がある感じなので、炒め物にひとかけしたり、煮物の調理時に少し加えたりすると味が引き締まりますね。ポン酢のように柑橘汁と合わせてもよさそうです。

 

こちらは「発酵マヨ」(650円)。植物性のマヨネーズ風調味料で、酒粕をベースに米油や米酢、リンゴ酢、甘みはアガベシロップを使用しています。まるでホイップクリームのような軽さで、そのまま食べても病みつきになります。

酒粕の味わいがふわっと広がって、マヨネーズのコクに似た味わいや香りで、野菜、肉、魚、なんでも相性がよさそうです。他にも、のり味やトリュフ味などがあるので、贈答用にしてもおすすめです。

日本各地から集めたり、オリジナル商品を開発したり、商品を見ているだけでも楽しくて、そんな素敵なお店のオーナーである小倉ヒラクさんは、発酵に関する著書がたくさんあります。

日本だけでなく、世界を回って取材された「アジア発酵紀行」は、発酵からアジア文化の起源をたどったり、その土地ならではの発酵食品が誕生したり、様々な切り口から書かれています。なかには味の想像がつかないようなものもあって、その土地の発酵の味を知りたくなってきます。食べたり、読んだりして発酵を学ぶ時間をもつのもよいですね。

 

店頭には全国からセレクトしたパン屋さんのパンが日替わりで並んでいますし、毎月のスケジュールをみると発酵に関するイベントも行っているようです。これは何度通っても楽しそう。ぜひ新しい発酵との出会いを感じてみましょう。

 

【発酵デパートメント】
東京都世田谷区代田2-36-15 BONUS TRACK
物販:11:0018:30
飲食:11:3014:30(L.O.)
火曜日定休

 

伊能 すみ子

伊能 すみ子
INOU SUMIKO

食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中

●著書『マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』(amazonのサイト)

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