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水素水および水素風呂の賢い選び方

(その3)活性酸素って何? どんなときに発生するの?

活性酸素

「日本老化制御研究所」より許可を経て引用

 

 

過剰な活性酸素(ROS)が惹き起こす疾患

ROS600]

Swiss Med Wkly. 2012;142:w13659 

Katharine Brieger, et al.

 

■活性酸素とは

ところで、『活性酸素』とは、酸素が姿を変えたものです。より詳しくいうと、酸素が電子を取り込んで、「酸化力」の非常に強いものに変化したものの総称です。主として、スーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素の4つがあります。 金属が酸化して錆びたり、切ったリンゴの断面が酸化して茶色になったりしますが、これらは酸素が引き起こす酸化によるものですが、『活性酸素』は酸素よりも強い酸化力をもち、体内に過剰にあると細胞や組織を損傷します。酸素は電子と反応しやすく、たやすく活性酸素に変化してしまう性質があるのです。 実は、すべての活性酸素がからだにとって有害・不要というわけではなく、外部から体内に侵入してきた細菌やウィルスをやっつけるときにも活性酸素は活躍しています。外部からの侵入者に対して白血球が大量の活性酸素を産生してこれらをやっつけ、からだの細胞を守っているのです。 このように、活性酸素はからだにとって有用な働きもしているのですが、過剰になると問題を引き起こします。紫外線や放射線、大気汚染物質、喫煙などの環境因子に晒されることでも大量の活性酸素が産生されると考えられています(後述)。

 

■もっとも反応力が強く有害な『ヒドロキシラジカル』

このように、活性酸素は有用な働きをする一方で、過剰になると生体膜や組織を構成する細胞内分子に損傷を与えます。すなわち、細胞内の酵素を不活性化し、DNAの損傷、脂質の過酸化反応、蛋白変性などをもたらして、さまざまな疾患を誘発するとされています。特に、からだにとって害ばかりもたらす、極めて反応力の強い『悪玉活性酸素』であるヒドロキシラジカルは、並外れて強力な酸化力をもち、手当たり次第に細胞を攻撃します。この活性酸素は制御不能で消去が難しく、からだにとって有害以外の何物でもありません(前述のように、水素はこのヒドロキシラジカルを選択的に消去します)。

■過酸化脂質の生成:活性酸素は細胞膜や血液中の脂質を酸化変性させる

体内の脂質、すなわち、細胞膜に存在する脂質(不飽和脂肪酸、主としてリン脂質)、皮脂や、血液中に存在する脂質(中性脂肪、コレステロールなど)は活性酸素によって過酸化脂質に変性すると考えられています。いったん過酸化脂質に変性するとからだから排出しにくく、蓄積して病気を惹き起こします。

■全疾患の約90%において活性酸素が発症・悪化の原因

活性酸素は、すべての疾患の約90%において直接的、間接的に発症や悪化の原因と考えられています。また、老化(からだの老化&肌の老化)を促進するのも活性酸素の仕業です。 具体的には、癌、糖尿病、動脈硬化症、脳梗塞、心筋梗塞、メタボなどの生活習慣病、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性、関節リウマチ、膠原病、アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息、心不全、腎不全、糸球体腎炎、白内障、アルコール性肝炎、非アルコール性肝脂肪性肝炎、炎症性腸疾患、閉塞性動脈硬化症などなど、多岐にわたる病態や疾患と関連しています。

 

【体内における活性酸素の役割と作用】

◎体内における活性酸素の産生系と消去系のバランスが崩れ、
活性酸素が 過剰になると細胞障害性に働くと考えられている。まだ不明な点も多い。

● 生体防御…外部から侵入した細菌、ウィルス等の排除

      これは活性酸素の良い働き。
      したがって、 活性酸素をすべて除去することはよくない
● 細胞障害…細胞・組織の損傷、炎症、さまざまな疾患の発症、老化促進 
      ・細胞膜の脂質や血液中脂質を酸化変性(過酸化脂質)  
      ・DNA損傷、突然変異・タンパク質の変性、酵素の失活

■ミトコンドリアが活性酸素の主な産生源

ところで、『ミトコンドリア』という言葉を聞いたことがありますか? 最近はTVの健康番組でも使われることがありますので、耳にしたことがあるかもしれません。このミトコンドリアは、私たちが生きるために必要なエネルギーを、細胞の中でせっせと作っている、とても小さな器官です(「細胞小器官」)。エネルギーは、私たちが運動したり、仕事や家事をしたりするのに必要なだけでなく(生活活動代謝)、呼吸したり、心臓が規則的に鼓動したり、血液が全身を循環するためにも必要です(基礎代謝)。ここで生産されたエネルギーがあらゆる場面で使われているのです。

 

ほんの数十年前には、存在さえもよく知られていませんでしたが、現在、ミトコンドリアは食事からの栄養や、呼吸から取り込んだ酸素を利用して、生きるために必要なエネルギーを生み出す工場のようなもので、このエネルギーをつくる段階で、2%程度がどうしても活性酸素になってしまうことがわかっています。

前述のように、ミトコンドリアがからだに必要なエネルギーを作り出すときに活性酸素が発生してしまうことは避けられないことですが、ミトコンドリア内で産生される活性酸素によって、ミトコンドリア自身もやられてしまい、エネルギー産生効率も落ちてきて、さまざまな機能低下につながるとされています。

 

私たちの日常の中で、呼吸以外にも、たとえば、下記のような状況で大量の活性酸素が発生すると考えられています。

 

■ 活性酸素が大量に発生する状況

◆ストレス:精神的ストレス(過労、心労)や身体的ストレス(手術など)

◆スポーツや肉体労働など、急に大量に酸素を消費するとき  

◆喫煙、排気ガスなどの排煙を吸ったとき  

◆大量の紫外線を浴びたとき (海水浴、テニス、ゴルフ他)  

◆放射線(レントゲン、胃カメラ、CTスキャン、放射線療法、宇宙飛行士等)

◆電磁波(携帯電話、パソコン、電子レンジ、高圧線、OA機器)

◆過量飲酒(適量ならストレス解消に、過量飲酒なら大量の活性酸素が発生!)

◆虚血部位の血流再開時(梗塞時の再灌流障害、筋トレ時の血流再開時)

体内に病原菌が侵入してきたとき(白血球から大量に発生)

食品添加物、洗剤、農薬、薬剤などの化学物質の摂取時

その他(睡眠不足など。ストレスと睡眠不足が重なると最悪!

 

■体内の活性酸素を無毒化する抗酸化酵素が足りない ⁈

健康なヒトでは、活性酸素を消去する抗酸化酵素、たとえば、SODSuper Oxide Dismutase、スーパー・オキシド・ディスムターゼ)などがあり、体内で過剰となった「活性酸素」を取り除き、無毒化してくれています。

 

ですが、大気汚染や、加工食品、増え続けるストレスなどの理由で、活性酸素が過剰に産生され、体内で作られる活性酸素消去系だけでは間に合わないと考えられているのです。また、40歳以上ではSOD産生能が急激に低下するとも言われています。

 

《(その2)水素の効能効果に関する医学的根拠 (その4)水素水を選ぶポイント: 表示の巧みな罠にご注意!》

◎関連リンク

第三者機関にて水素の体内取込量を実測済みの水素風呂『リフレッシュ水素』

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記事作成: 寺尾 和子 (薬剤師/メディカル パースペクティブス株式会社)

 

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