水素水および水素風呂の賢い選び方(4)
水素水および水素風呂の賢い選び方
(その4)水素水を選ぶポイント: 表示の巧みな罠にご注意!
いよいよ水素水の選び方のポイントです。一番大事なことは実際にどのくらいの水素量が体内に取り込まれるか、ということです。水素は抜けやすいため、下記のような点をご参考にしてみてください。
■チェックすべき項目
1.水素濃度:実際に飲む時点で0.8ppm以上
常温常圧における水素水の飽和濃度は1.6ppm(*1)です(通常の水素水ではこれが最大値です)。
以前、動物モデルにおいて低い水素濃度でも効果が認められたとの報告がありましたが、ヒトにおける研究では、過飽和または飽和に近い高濃度の水素水を1日1リットル(L)、ある程度の長期間(6ヵ月~1年間)にわたって飲用しています。したがって、0.8ppm(飽和濃度の50%)以上の水素水がおススメとされています(*2)。
(*1)飽和濃度とは「溶存できる限界濃度」のことですが、これは常温常圧の条件下ということですので、温度や気圧が変われば1.6ppmを超えた溶存が可能です。
ppm = parts per million (100万分の1) 1.6ppm = 1リットル中に1mg含有
なお、ppb(10億分の1)で表示されている場合: 1ppm = 1000ppb です。
(水素濃度を高く見せるためにppbで表示している商品がありますが、ppmの1/1000です)
(*2)日本分子状水素医学生物学会
ただし、水素濃度表示によく使われているppmは割合(比率)を示すものですので、同じ水素濃度で250mLと500mLの容量の場合、前者の水素量は、後者の半分になります。
1ppmとは1L(リットル)中に1mg含まれていることですので、もし同じppmとすると、250mL容器中には0.25mg、500mL容器中には0.5mg含まれていることになります。当然ながら、容量が少なければ、含まれている水素量も少ないのです。
ちょっと勘違いしそうになるかもしれませんが、体内にどのくらいの水素量が取りこまれるかが重要ですので、水素濃度と共に、飲む量も重要です。ちなみに、治療目的で臨床試験にて用いられているのは、過飽和もしくは飽和に近い高濃度の水素水で、1日1Lを継続的に6ヵ月~1年間摂取しています。
水素水の生成には、(1)加圧式、(2)電気分解、(3)化学反応(マグネシウムなどを入れて化学反応で水素を発生させる)などの3通りが用いられています。
最近になって、『充填時の水素濃度』として、「2.5ppm」などの、非常に高い水素濃度が記載されている商品を見かけるようになりましたが、これは要注意です。前述の①加圧式で製造されている商品(アルミパウチ、アルミ缶の商品すべて)は、充填時の水素濃度は通常、どの商品でも非常に高く過飽和状態(2.0~4.0ppm)にありますが、充填が終わるとすぐに水素が溶存できる限界(飽和濃度)の1.6ppmまでさがります。
さらにその後、高熱消毒(80℃、35分以上)などの処理工程を経ますので、水素量はさらに少しずつ下がり、製造工場からの出荷時には、たとえ濃度の高い商品でも、1.2~1.4ppm前後になってしまいます。
それ故、常温常圧において、「飲む時点」で『水素量が1.6ppm』以上はあり得ないのです。一般的には、消費者の手に届いて、実際に飲むときに0.8~1.1ppmあれば、高濃度水素水といえると思います。
2.容器をチェック
現在、ペットボトル、アルミ缶、アルミパウチの商品が販売されています。量も250mL~550mLくらいのものが多いようですが、その1本当たりに含まれている水素量は、もし濃度(ppm)が同じなら、当然ながら、容量の多いもののほうが水素量は多いです。
●ペットボトル
以前、かなり問題になりましたので、すでによく広く知られていると思いますが、プラスチック容器では、宇宙で一番小さい分子である水素はすぐに抜けてしまいます。製造工場の充填時にちゃんと高濃度で含まれていたとしても、消費者の手に届く頃にはゼロになっています。
なお、耐圧性のペットボトル容器で、自分でつくるタイプ(水と材料のスティックを入れて約24時間放置し、飲む直前に30秒位振ってから飲むタイプ)の商品では、かなり高濃度に作れるものがあります。ですが、天然水などを別途購入する必要があり、すぐに飲めないのが難点です。また、一度蓋を開けてしまうと、ただのペットボトルと同じなので、開栓したら飲みきるのが良いでしょう。
●アルミ缶
アルミ缶の場合、充填時に真空にすることは難しく、どうしても最上部に空気層ができてしまいます。そのため、水素は徐々にこの空気層に逃げていきますので、アルミパウチ容器の商品に比べるとどうしても水素濃度が低く、特に製造から時間が経てば経つほど、水素の抜けが大きくなるでしょう。
ただし、コンパクトサイズで持ち運びがしやすく、また、比較的安価なものが多いです(製造コストがアルミパウチよりも安い)。
●アルミパウチ
アルミパウチの水素水商品は、すべて前述の(1)加圧式で製造されています。
この方法は、水(多くは天然水)を濾過して不純物を除いた後、大量の水素ガス(分子状水素)を、圧力をかけながら飽和状態になるまで溶存させる方法です。
アルミパウチの場合は開栓後、一度に飲みきらずとも中の空気をすべて抜いてキャップをきつく閉めておけば、水素はかなり高濃度で残っています(ただし、最初の水素濃度、ナノ化の有無、アルミ層の性状、用量、その他の条件が商品によって異なりますので、水素の抜けやすさは商品ごとに異なります)。
*下記データは「高濃度ナノ水素水スパシア(550mL)」を半分捨てたのちに、キャップを閉めて、残っている水素濃度を24時間にわたり第三者機関にて測定したもので、あくまでも参考です。
前述のように、『充填時の水素濃度』は全く意味のないことで、これは消費者に過度の期待感を与えるような誇大表示の可能性があると思います。
3.第三者機関による水素濃度測定
水素水に限ったことではありませんが、よく「当社データ」と記載された表示を見かけることがありますが、これでは一般消費者は全く判断できません。「第三者機関」によって水素濃度をきちんと測定している商品がおススメであることは言うまでもありません。
4.賞味期限が長い
商品によって意外と差があるのが賞味期限です。企業によっては、できるだけ水素が抜けないようにさまざまな工夫を凝らして、製法特許を取得している商品もありますので、選ぶ際は賞味期限もチェックしてみてください。
5.その他
いろいろな水素水商品の濃度を実際に簡易測定器で測定してみると、ナノ化しているほうが濃度が高い傾向(すなわち、水素が抜けにくい)にあるようです。きちんとした比較データがあるわけではありませんが、発売当初ナノ化していなかったものを、より濃度を高く、かつ、飲みやすくするためにナノ化の工程を追加した商品もあります。
以上、水素濃度の点からはアルミパウチ商品がおススメですが、何を期待して水素水を飲むのかにもよります。「美味しさ」、「用量と価格」、「便利さ」、その他を勘案して、ご自分の納得のいく商品をお選びになればよいと思います。
《(その3)活性酸素って何? どんなときに発生するの? | (その5)水素風呂:水素水との違いと選ぶポイント》 |
◎関連リンク
水素量(ppm)を第三者機関にて実測・表示している高濃度ナノ水素水『スパシア』550mL
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