アンチエイジングニュース

「地球とつながるよろこび。」をテーマにアウトドア事業を展開し、産学連携プロジェクト「人と自然のウェルビーイングラボ」に取り組んでいる株式会社ヤマップは、山を歩くことが人類の健康と自然環境に与える影響を科学的に測定する実証実験を行ってきました。その結果を以下にご紹介します。

この実証実験では、習慣的に山を歩く人々である「登山者群」とそうでない人々である「非登山者群」の生体データを比較しました。

脳疲労度の低い人は、血圧低下の効果が大きい傾向にあることが明らかになりました。また、脳疲労度の低いグループには「登山者群」が多い傾向も見られ、習慣的に山を歩くことが、脳疲労の改善に寄与する可能性を科学的に実証しました。

 

実証実験では「登山者群」と「非登山者群」を合わせた46人に、大分県別府市の日向岳を登山してもらい、その前後の血圧や血中コルチゾール濃度等の生体データを比較。その解析結果から山を歩くことの健康効果を科学的に実証しました。

 

分析結果

1 「生体データ(血圧)」と「脳疲労度」との相関関係を分析

▶︎ 脳疲労度の低い人は、血圧低下の効果が大きい傾向

「登山者群」と「非登山者群」の「生体データ(血圧)」と「脳疲労度」との相関を分析したところ、脳疲労度が低い人(脳疲労マーカー=180未満)は、登山前と登山後の最高血圧の差が大きく、山を歩く運動行為/日内変動により得られる血圧降下の効果が大きい傾向にあることが判明しました。

さらに、脳疲労度の低いグループ(脳疲労マーカー=180未満)には「登山者群」が多い傾向も見られ、習慣的に山を歩くことが、脳疲労の改善に寄与する可能性が示唆される結果となりました。

 

2 「生体データ(血中酸素飽和度)」と「登山経験」との相関関係を分析

▶︎ すっきりとした目覚めを迎えられている「登山者群」

「登山者群」「非登山者群」の登山前(朝の時間帯)に測定した「血中酸素飽和度」のデータから、血中酸素飽和度が高いグループ(98%以上)には「登山者群」が特に多い傾向が見られました。習慣的に山を歩く「登山者群」は、朝の時間帯から身体の状態が活動的になることが多く、血中酸素飽和度の低い寝起きの状態から酸素飽和度の向上が見込まれやすい可能性、つまり「非登山者群」と比べ、すっきりとした目覚めを迎えられている可能性があると考えられます。

 

3 山を歩くことによる「ストレス解消効果」を分析

▶︎ 恩恵を受けやすい条件あり

山を歩く運動行為による「ストレス解消」への影響を調査すべく「登山者群」「非登山者群」の登山後の「血中コルチゾール濃度」を比較しました。コルチゾールはストレスに関与し、過度なストレスを受けると分泌量が増加するホルモンの一種です。
登山後の血中コルチゾール濃度は、「体脂肪率」「体年齢」と正の相関関係が見られ(図3a,b)、「骨格筋率」との間には、負の相関関係が見られた(図3c)ことから、体脂肪率が低く、骨格筋率が高く、体年齢の低い人は、山を歩く運動行為/日内変動によるストレス解消の恩恵を受けやすい可能性があることがわかりました。
習慣的に山を歩く「登山者群」は、無条件に「脳疲労改善」の恩恵を受けている可能性が高いものの、より良い「ストレス解消効果」を得るには、望ましい条件(体脂肪率が低い・骨格筋率が高い・体年齢が低い)があると言えます。

 

毎月登山実績があり、直近の獲得標高差が500m以上の「登山者群」と「非登山者群」との生体データ比較に焦点を当てた本研究では、実証実験を通じて得られた上記1〜3の結果を統合的に評価し、普段からのエクササイズや運動ではとれない脳疲労を、標高が500m以上の山で、月に1回以上の登山習慣が解消する可能性を結論づけました。

山を歩くことの「何が」脳疲労の改善に寄与しているのかは今後の研究によって確かめる必要がありますが、今回の実験を通じて、山を歩くことによる効果の一端を解明できました。

これまで体感的・経験的に知られてきた効果に、科学的な裏付けを提供することで、山を歩くことが、現代を生きる人々の健康づくりや未病の改善、予防医療に有意なアプローチとなるよう「人と自然のウェルビーイングラボ」では、今後も様々な機会創出を図ってまいります。

 

脳疲労について

脳疲労を起こすと2つの流れで悪い生活習慣が始まります。下の図に示す通り、一つは大脳辺縁系の機能不全で起こる五感異常です。いわゆる視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚が鈍くなることを指しますが、その中で特に分かりやすいのが味覚です。味覚が鈍くなることで甘いものや辛いもの、脂っこいものを好むようになります。また、満腹中枢にも異常がでるので「食べても食べても満たされない」という状況に陥り、過食が始まります。過食が過ぎると・・肥満や糖尿病などの生活習慣病につながるのです。
一方で大脳新皮質の機能が低下すると認知異常が起こります。認知異常が続くとキレる・ひきこもる・イジメなどの精神的な行動異常が起こり、結果的にはうつや認知症、精神疾患を引き起こします。

 

「味がわからない」「聞こえづらい」「集中できない」「考えがまとまらない」など思い当たる節がある方は、すでにストレスが原因で五感異常や認知異常がスタートとしているのかもしれません。味が濃いものを好むようになったり、ダラダラ食べてしまい・・結果太ってしまうのも脳疲労の症状だと言えます。
(出典:「BOOCS脳疲労仮説」ウェブサイト)

 

詳細はこちらのページでご覧いただけます。

 

情報提供:株式会社ヤマップ

 

山歩きや登山を行うとストレスが解消され、きもちもスッキリすることに納得できました。

アンチエイジングのためにも、ぜひ山歩きの習慣を取り入れてみたいですね。

 

 

 

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