入浴習慣は、動脈硬化や心機能に好影響
皆さんは毎日湯船につかっていますか?
暑い日はシャワーだけで済ませてしまう方も多いのではないでしょうか。
そんな方もこの研究結果を読めば、できるだけ湯船につかろうと思うかもしれませんよ。
愛媛大学社会共創学部教授の小原克彦氏らの研究グループの研究によると、中年期以降の日本人では、週5回以上の入浴習慣が動脈硬化リスクを低減し、心機能を改善するなど心臓や血管の保護に働く可能性のあることが分かりました。(「Scientific Reports」6月21日オンライン版に掲載)
温浴にはサウナと同様の効果はあるのか
サウナ習慣が心血管疾患による死亡や突然死のリスクを下げることは、フィンランドの研究で報告されています。
湯船に浸かることは、サウナのような温熱効果だけでなく、水圧の効果がプラスされ、末梢血管内の血液が身体の中心部に集まって心機能の改善されると考えられています。
果たしてその調査結果は?
今回の研究では、中年期以降の日本人を対象に、入浴の頻度や入浴時間、湯温に関するアンケートを実施し、今回、回答があった873人の回答を分析しました。
動脈硬化の指標として頸動脈内膜中膜厚(IMT)、上腕足首間脈波伝播速度(baPWV)を計測、また中心血圧の指標を橈骨圧波形から求めました。心負荷の指標として血中B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)を測定しました。
平均時間の入浴時間は12.4分でした。
入浴頻度が週に5回以上のグループは、4回以下と比べて、baPWV、中心脈圧、BNP濃度がともに低いことが分かりました。
また湯温についての関連も調査し、熱めの湯温はbaPWV値が低下、入浴頻度が高いほど中心脈圧と血中BNP濃度は低下を示しました。
さらに、164人を対象に縦断的に解析した結果、週5回以上の入浴習慣により経年的なBNP値の上昇が抑えられました。また、熱めの湯温では、頸動脈最大IMTおよびbaPWVの上昇が小さい傾向がみられました。
以上の結果から、研究グループは「日本人の入浴習慣は、心血管機能の保護に働く可能性が示された。最適な湯温や入浴頻度などについては、今後さらなる検討が必要とされる」としています。
日本人が大好きな温浴の習慣、健康のためにもぜひ見直してみたいですね。
参考文献:https://www.ehime-u.ac.jp/data_relese/data_relese-79309/
この記事が気に入ったら「いいね!」しよう
最新記事をお届けします