難聴を治療せずに放置すると、医療費が増大!?
高齢者になると耳が聞こえづらくなるいのは仕方がない「年齢のせいだから」とあまり重要視していない方も多いようです。
「何も対策をしないと、転倒リスクが高まったり、認知症やうつ病を引き起こす可能性があり、結果的に医療費増大につながる可能性がある」という、2つの研究が発表されました。
難聴で医療費が増加
1つ目は、米ジョンズ・ホプキンス大学のNicholas Reed氏らが、難聴を治療しない高齢者と難聴の症状がない高齢者を10年間追跡調査した研究です。
難聴を治療しない高齢者は、難聴の症状がない高齢者に比べて以下のことがわかりました。
●10年間の医療費総額の平均が46%高い
●10年間の入院日数が約50%延長し、退院から30日以内に再入院するリスクが44%高い
●救急科の受診率が17%高く、外来受診が52回以上でした。
難聴で認知症リスクが増加
2つ目は、同大学のブルームバーグ公衆衛生大学院のJennifer Deal氏らが、50歳以上の成人を対象に行った研究です。
難聴がある人は、難聴がない人に比べて以下のことがわかりました。
10年間の
●認知症リスクが50%高い
●うつ病リスクは40%高い
●転倒リスクは30%高い
Jennifer Deal氏は「難聴を治療すれば他の疾患になるリスクが低下するかどうかは明らかになっていないが、難聴は70歳以上の高齢者の3分の2が抱えている問題。生活の質に大きく影響するため、医療従事者はこれらのことを認識して、難聴を治療することで高齢者の健康リスクが低減できるかどうかを考える必要がある」としています。
米国の未治療の難聴がある人は3800万人にのぼります。 この数は増え続け、2060年には倍増すると予想されています。 また、65~74歳の3人に1人に難聴があり、70歳以上の高齢者では3分の2に重大な難聴がみられるということです。
健康リスクを減らすためにも、聞こえに不安を感じたら早めに受診をして対策を行っていきたいですね。
参考文献:
https://jamanetwork.com/journals/jamaotolaryngology/article-abstract/2714049
https://jamanetwork.com/journals/jamaotolaryngology/article-abstract/2714050
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