アンチエイジングニュース
2019.10.30
孤独は、肥満や喫煙に匹敵する死亡のリスク
現在、若者から高齢者に至るまで、多くの人々がひとり暮らししています。
勿論、一人暮らしそのものが悪い訳ではありませんが、それによる「孤独」が「肥満」よりも公衆衛生上深刻で、喫煙のリスクにも匹敵することが分かりました。
これは、ブリガム・ヤング大学の心理学教授ジュリアン・ホルトランスタッド(Julianne Holt-Lunstad)氏が、2018年度アメリカ心理学会大会で報告したものです。
研究では、2つの膨大なメタ分析( 統計的手法を用いて、複数の論文のデータを定量的に結合、分析する)を行いました。
メタ分析のうち1つは、148の研究、30万人以上の被験者データを対象としたもので、この分析により、社会的な交流のある人は早期死亡リスクが50%低下することが明らかになりました。
もう1つの分析では、70の研究、340万人のデータを対象として、社会的孤立、孤独、ひとり暮らしと死亡率の関係を調べたところ、3つの要素全てが、肥満と同等もしくはそれ以上に、死亡リスクを高める傾向にあったそうです。
これらの結果から、「孤独」が極めて致命的で、睡眠パターンの乱れ、ストレスホルモンの増加、炎症の悪化、免疫システムの異常など、多くの問題を引き起こす可能性があると考えられ、いずれも病気や、死に至るリスクを高めることになります。
そして、孤独のリスクから逃れるには、自ら進んで社交的になろうとすることが重要だと、結論されています。
ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。
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