冬の鍋料理に欠かせない長ネギは冷え予防にぴったり!
寒くなってくると恋しくなるのは鍋料理ですよね。家族や仲間と食卓を囲むのにぴったりな鍋料理は、すき焼き、水炊き、しゃぶしゃぶといった定番料理をはじめ、最近では漢方を使った火鍋や羊肉鍋、パクチー鍋が人気で新たな鍋料理として注目されています。
料理によって使用する具材も様々ですが、どんな種類の鍋料理にも欠かせないのが“ネギ類”です。「定番だけどあまり印象に無い?」いえいえ、白ネギや青ネギ、地方によってはタマネギを入れる料理もありますよね。さらには、切り方も小口切り、乱切り、白髪ネギ、と様々な形で多用され、影の主役になっているほどです。
ネギ類は、風邪を引いた時の特効薬になったり、冷え性解消に役立ったりする優れモノです。その中でも、長ネギは地方によって特産品が多く、意外に知らなかった長ネギの魅力を知ることができるかもしれませんよ。
***なぜ、ネギ類が冷え性に良いのでしょう***
自律神経が乱れて、血行不良になって起こる冷え性。冷えの症状が出やすいのは男性よりも女性に多く、原因のひとつとして“筋肉量の違い”があります。筋肉量の少ない女性は、体温の調整機能が劣りがちなので、低血圧の人が多かったりすることが要因のひとつに挙げられます。
ネギ類には硫化アリルの一種、涙の出る原因となる催涙成分が含まれています。これは血液を固まりにくくしてくれる優れた成分で、血の巡りを促し、血行促進にも有効です。よくタマネギを食べると血液がサラサラになるといわれますが、勝因は催涙成分にあります。また、ネギ類特有の辛み成分であるアリシンにも血行を促し、体を温めてくれる作用があるので、どの部分を食べても有効的なネギ類をぜひ取り入れたいですね。
***地域名産物に多い長ネギは東西で違う***
ネギ類の中でも長ネギは、冬に旬をむかえる野菜のひとつで種類も多く流通します。地域によっても特徴が分かれ、関東から以東地方で主流となる白い部分の多い「根深ネギ」と西日本で主流となる青い部分の多い「葉ネギ」に大きく区分されます。スーパーでは特産地に由来した名の長ネギを良く見かけますよね。そこで、みなさんにおすすめしたい冷え予防にぴったりな東西に代表される長ネギを紹介しましょう。
■下仁田ネギ
関東が誇る長ネギの産地、群馬県下仁田町で栽培されている根深ネギで、ちょっと太めなそのスタイルが特徴的です。
生のままだと辛みが強いのですが、加熱することで甘みに変化します。この甘みは、独特な粘り成分のフルクタンのおかげ。
肉質が柔らかいので鍋の中に入れても火が通りやすく、長ネギの粘りが出汁に流出してしまっても、
汁までいただける鍋料理ならば、おいしい成分も残さず食べきることができますね。
実は先ほど記載した催涙成分やアリシンは、葉ネギより根深ネギの方が多く含まれているので、特に冷えが気になったり、風邪気味かな?と思ったりしたら、積極的に取り入れるようにしましょう。
■九条ネギ
西の代表といえば京野菜のひとつである九条ネギといえるでしょう。
元々は大阪・難波で自生していたものが京都に伝わり、品種改良が盛んになりました。
青い部分が全体のほとんどを占め、細長く伸びたその姿はまるで京美人のように凛としています。
辛みが少なく、生食でも食べやすいのが特徴です。
なので、根深ネギと違い、鍋の中に入れるというよりは“乗せる”といった方がぴったりの表現かもしれません。
実際に食べたことのない人はぜひ関西の鍋料理を食べてみてください。てんこ盛りになった九条ネギの迫力に驚きますよ。
もちろん、葉ネギは栄養素も抜群で充分に冷え解消になるのですが、それに加えてアンチエイジングとしても優秀なのです。シミやそばかすの原因であるメラニン色素の発生を抑制してくれるので、女性は特に注目したいですね。
長ネギを刻んで料理に添えることを“薬味”といいますが、まさに理にかなっていますよね。スーパー行けば、種類豊富に並んでいるので、色々な長ネギを食べる絶好のチャンスです。東西に区分される長ネギの種類をうまく使い分けて、冷え解消に役立ててくださいね。
伊能 すみ子
INOU SUMIKO
食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中
●著書●著書『マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』/div>
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