紫外線対策のポイント「ソラレン」は朝と夜で使い分け
春の風が心地よく感じられる季節になりました。寒さと温かさが入り混じる春の風は思わず外出したくなるような気分にさせてくれます。その反面、紫外線が本番を迎える時期でもありますから、外出にもさらなるケアが必要となってくるでしょう。
一般的に紫外線から肌を守るのによいとされている食べ物はビタミン類です。果物や野菜に多く含まれていて、紫外線による肌のトラブルを解消してくれる大切な栄養素。食卓に並ぶ食事でも、たくさんのビタミン類を摂取していると思いますが、食べるタイミングも紫外線予防やケアのポイントとなります。
***お出かけ前にはビタミンCは禁物!? のなぜ***
近年、注目されているのが、主にビタミンCの宝庫である柑橘系の果物に含まれているソラレンという物質です。紫外線を敏感に反応する感受性豊かな物質のことで、ソラレンによる光毒性が紫外線に当たり、肌が紫外線を吸収しやすくなってしまいます。これでは肌にダメージを与えやすくなり、シミが増える原因にもなりかねません。
とはいえ、ビタミンCは紫外線による表皮下のメラニン色素の生成を抑制してくれる立役者でもあります。さらには美肌作りに欠かせないコラーゲンの成形にも欠かせないビタミンです。果物には、たくさんのビタミンCが含まれていますし、一般的にも朝に果物を摂取する人は多いですよね。そこでポイントとなるのが、、ソラレンが含まれている果物とそうではない果物の使い分けといえるでしょう。
ソラレンが多く含まれている果物には、グレープフルーツやレモン、オレンジなどの柑橘系果物に多く含まれています。う~ん、これは困りものですね。「朝の果物は金」といわれているくらいに、朝に果物を取るのは良いという例えもあるのに。
ソラレンが活発になるのは摂取後の2時間といわれています。ということは、「通勤して、そのまま外回り」なんていう環境にある人は、朝にソラレンを含む食材を食べるのは避けた方が良いかもしれません。逆に外出前に食べるのを避けた方がよいのであれば、夕食やデザートとして食べてみてはいかがでしょう。というのも、ソラレンは摂取後、8時間で光毒性は衰退するというのです。寝ている間にリセットするには、“ソラレンが含まれる果物は夜に食べる”というのもひとつの手かもしれませんね。
***お出かけ前の一品にはなにが良い?***
ソラレンが含まれているのは、柑橘系果物だけではなく、野菜のセロリやキュウリ、ニンジンやブロッコリーにも含まれているそうなので、朝食の一品にも困りモノです。では、ソラレンが多く含まれていない果物とは?
通年で購入しやすいのが、バナナやリンゴ。これから夏にかけて旬をむかえるモモやスイカもおすすめです。手軽に購入できて、食べやすいのも魅力ですね。また野菜類だとサラダとしても最適なレタスやトマト、カボチャに注目です。特にカボチャはビタミンAやビタミンEも豊富なので、紫外線によって増加する活性酸素対策にも役立ってくれます。抗酸化作用もありますので、紫外線に負けない肌作りにも最適でしょう。レタスとトマトのサラダにカボチャのスープ!という朝食メニューにしてもよさそうですね。
今回ご紹介したのはあくまでも一例ですので、決してソラレンが含まれている食材を食べてはいけない、というものではありません。食べるタイミングを考慮して、紫外線対策のヒントのひとつとして役立ててみてくださいね。
伊能 すみ子
INOU SUMIKO
食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中
●著書●著書『マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』/div>
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